昼飯20190422
筍のシーズン真っ盛りの4月下旬。とはいえ、まだ店頭の主役は九州産。静岡産がちらほらというところ。
掘り上げた瞬間からみるみる鮮度が下がる筍。遠距離をトラックに揺られて都内の店頭に並ぶまでの時間や環境を思えば、アク抜き作業が欠かせないのもまあ許すとしよう、なんて…
“花より団子” ごちゃごちゃ言ってないで支度にかかれ!と、胃袋が急かしている。
三日にあげず(値段の高さに痺れる)買って帰っては周りが寝静まった時刻に下ごしらえをする日々が続く。もっとも田舎では地のものばかりだった時代には、わが家ではアク抜きなどしなかったと記憶しているが。
雪国の筍料理“三種の神器”(懐かしさの順番か‥)といえば、①筍の味噌汁②筍ご飯③筍と身欠き鰊の煮しめ…というところか。どれか一品あれば大満足で、豪華とは縁もゆかりもなけれど臓腑と心を満たしてくれたことは確か。
まずは体や暮らしに馴染んだメニューで。
・筍ご飯(筍・人参・椎茸・油揚・絹さや)
・筍と菜の花と豆腐の味噌汁
・里芋と車麩と人参の八角入り煮しめ
・ブロッコリと新玉ねぎのサラダ
ご飯を炊いている間に具を薄口醤油と酒と味醂少々でさっと煮て、釜のスイッチが切れたら具をご飯の上に置き、5分ほど蒸らして少し残った汁をご飯に馴染ませる。
筍の先の柔らかいところは味噌汁に。
きょうは昆布と鰹節のだしを気もち薄めにとって(全ては筍のために?…)薄切りにした筍と豆腐を入れ軽く煮立てたら味噌をとき、湯通しした菜花の葉っぱのみ水気をキュッと絞り、刻んで碗の上へ。
煮しめは家で作ったものを持参。新ジャガイモが店頭に山積みだけれど、日本中の”旬”を一度に味わってしまうのは何だかもったいない。季節との新鮮な出会いの感動を、一つ一つゆっくり味わいたいから、待つことも楽しさのうちと思っている。
「ここにいるのに」と台所の隅から呟きが聞こえそうな「里芋」最後の出番と相成りました。
車麩はぬるま湯に浸して戻し、水気を絞って一口大に刻み、里芋は皮をむく。
煮干しと昆布のだし汁に酒を少々、八角と桜海老も加えて煮立てたところに砂糖、薄口醤油で味付けし、具を全部入れて煮ていく。
あ、ごま油を加えてもコクが出て風味豊かな煮物になるね。久しぶりに八角のことを思い出して使ってみたら、しばらく病みつきになりそう。
(よこやま)
サラダはいたってシンプル。
ブロッコリはさっと湯がいて粗熱がとれたら食べやすい大きさに、新玉葱はスライス。
サラダ油(ごま油)をなじませ、塩コショウを振り、クルミをトッピング。クルミは山に暮らすばっちゃんが殻から一つ一つ取り出したもの。