昼めし日記

2010年 8月2日

  昼めし献立 

  • モロヘイヤと車麩の甘酢餡仕立て
  • カリカリニンニクとカシューナッツ入りライス
  • ツルムラサキと千切りジャガイモのおひたし
  • ツルムラサキと豆腐の味噌汁

本日のオイシイ!
片栗粉も要らないほどの、とろとろ、ねばねば揃い!

灼熱の国エジプトからやってきた、お陽さま大好き野菜の

モロヘイヤと、緑濃いツルムラサキが食欲をそそります。

梅雨明けと同時にやってきた連日35度といった猛暑の日々に、暑く長い夏を覚悟したのでしたが、この1週間ほどは、比較的過ごしやすく…その間にいくらか暑さにからだが慣れてきた気がしませんか。還暦過ぎの身には要注意“熱中症”というわけで、水をこまめに取るようにはしているけれど、野菜好きでよかったぁ。ほとんどの野菜の90%は水分ですもの。しかもビタミン、ミネラルたっぷりときてるから、ただ水だけ飲むより、水分とお陽さまをいっぱいに浴びて滋養に満ちた野菜料理をもりもり食べていたら暑い暑い夏を元気に乗り切らせてくれるにちがいないと思っとります。

有機野菜の産直では夏の定番となったモロヘイヤ。小ぶりの桜の葉と見えなくもないけれど、刻むとすぐに粘りが。おなじ夏野菜のオクラと、とろとろを競っています。
そのとろとろ感をめいっぱい味わえるよう、細かく叩くように刻みます。戻した車麩も粗みじんにして、たっぷりとっただし汁を砂糖、醤油で濃い目に味付け。乾し海老と車麩を煮て味を沁みこませたところに、刻んだモロヘイヤを(両手で包めるほどの量が手元にはあり)を加えて煮立たせ、最後にスライスしたキュウリも入れてひと煮立ちさせたらできあがり。片栗粉なしで甘酢仕立てのとろりモロヘイヤ&車麩煮に。これを揚げニンニクとカシューナッツ入りライスにかけていただきます。

あら、こちらも、ねばねば!。肉厚、濃い緑色も艶やかなツルムラサキも「食べてよ」と言ってます。あの匂いがちょいと苦手という人もいるけど、これを食わずして夏を送ることあたわず…といいたいほどの個性あふれる夏野菜でございます。
にもかかわらず(?)、だし醤油のおひたしてシンプルに食べるのが意外やツルムラサキの個性的な味わいを引き立てて、おいしいんですね。以前、ごま油とおろしニンニクでツルムラサキのナムルをつくったときは、これ、合うわねえと、感心したことがありましたが。
で、本日はさっぱり系の、だし醤油(だし汁と常備の割り下を合わせるだけ)でいきます。ジャガイモ(黄色が鮮やかな「インカのめざめ」です)の千切りをさっと湯がいたのと、蕪を漬け込むときに使った昆布の千切りと合わせて。彩り、きれいですね。

 ★★昼飯コラム★★

 身近な野菜になったモロヘイヤ

灼熱の砂漠の国エジプトからやってきたモロヘイヤ。有機農業の農家では、早くからこの新顔野菜の栽培に取り組まれた方も多く、80年代後半には事務所に届く産直野菜の中に入ってきていました。
85年頃と思うけど、雑誌『自然食通信』(現在は休刊)編集部に、このモロヘイヤを日本に普及させたいので、栽培してくれる農家を紹介してくれないかと、「種」を持って女性が訪ねてこられた。
「エジプトでは古代より王様の食べる野菜と言われて、たいへん栄養豊かな野菜です」と熱心に語られていたことを思い出します。
当時、外来野菜より、日本各地の風土で長くつくられてきた野菜の価値の再発見を…と考えていたので、その方が「種を分けて、育ててもらいたい」と言われるのにあまり乗り気になれなかったのですが、栽培は地道に続けられ、あれから四半世紀という時が流れて、モロヘイヤもスーパーの高級野菜の売り場から、ずいぶん身近な野菜になりました。
包丁で刻めば刻むほど、とろとろ感が増すモロヘイヤ。地球温暖化が叫ばれるこの頃、“灼熱”化傾向が増すばかりの日本の夏に、エジプト原産野菜も住みやすくなったと感慨しきりかも。

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所…犬の散歩道を避けるのは至難の技だわね) 

                                                                 料理人:よこやま


 2010年7月27日

  昼めし献立 

  • カボチャと緑色茄子のチーズ和えサラダ
  • 千切り野菜サラダ(おろし人参とトマトのドレッシング)
  • 玉ねぎ、茄子、カボチャの味噌汁
  • ノラ・カンパーニュ



カボチャと蒸し茄子を合えてサラダにって、おもしろいでしょ。

茄子のペーストはアラブ諸国ではよく食べるようですよ。オリーブ油が
決め手。

今日もどっさり届いたぴかぴかの夏野菜! その中に緑色の茄子を発見しました。しかもとても細長~い。どんな味がするのだろう。さっそく使ってみる事にしました。小さく切って玉ねぎも一緒にオリーブオイルで炒め、茹でたかぼちゃ、塩漬けの黒オリーブと和えます。味付けは塩こしょうと冷蔵庫の奥底から掘り出した”スキクィーン”という品名の山羊チーズ。チーズを固めたときに残るホエーという(豆腐を固めた残りの液体と同じものですね)のを、もう一度チーズにしたもので、スエーデン、デンマークなど北欧諸国では家庭でよく作られてきたものだそう。
時間がたって石のように堅くなったのを(賞味期限2007年!)がりがり削って入れました。チーズだけ食べるとキャラメルのような味でおいしいのです。こんなに時間が経ってもおいしくてチーズって素晴らしい! サラダにこくが出ました。緑の茄子もさっぱりとしてサラダにあうかも。

サラダ2品目は残り物活用サラダです。昨日、編集長が人参、紫玉ねぎ、きゃべつ、ピーマンを千切りにし、塩もみしたものがあったのでちょっと拝借してざく切りトマトとおろした人参でドレッシングを作り、上にのっけました。超簡単サラダです。おろし人参がとってもあまくて塩もみ野菜と相性バッチリでした。
 今週の野の扉のパンはもちもちとしたカンパーニュです。味噌汁とも合います。
だんだん進化していて毎週楽しみです。

届いたばかりの野菜も今すぐ使いたいし、でも冷蔵庫で眠ってるものも気になるし右往左往しながら作りました。家でもこんな感じでバタバタ料理しています。何と何を組み合わせるか結構悩むけれどそれも楽しい。クリエイティブ!だから料理はやめられない。
                                    
スタッフ・まりを

緑色の茄子、こんなんです。

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所…犬の散歩道を避けるのは至難の技だわね)    

 

                                                                 料理人:よこやま


2010年 7月23日

昼めし献立 

       

  • ナスとピーマンの甘味噌炒め
  • 生ピーマンのサラダ
  • 新じゃがの煮っころがし
  • シンプル野菜スープ



 生のシャキシャキ感を生かして夏野菜の王道「ピーマン」で、簡単サラダはいかが
ピーマンは縦に細切りして、しょうゆ、ごま油、塩を加えて軽くもんでから冷蔵庫で冷やします。いろどりにプチトマトを添えて、食べる直前に黒コショウを挽いてできあがり。シャキシャキっとお漬けもの感覚で、意外にたくさん食べられます。

新じゃがの煮っころがし。皮をむいたジャガイモを茹でたら、ゆで汁を捨てます。バターとしょうゆを落として、粉ふきいもの要領で鍋にフタをしてゆすります。仕上げに香り豊かなバジルのみじん切りを散らして。大葉やパセリでも良い香りに!
野菜スープはシンプルに。玉ねぎとニンジンを炒めて、水と昆布を入れて煮ます。味付けは塩コショウだけ。野菜の甘みが際立ちます。

ナスとピーマンの甘味噌炒めはポピュラーなものですが、千切りしたショウガを多めに加えて大人の味に仕上げました。

毎年この時期になると、夏バテ予防に赤じそジュースを作っています。シロップの
作り方はとても簡単で、水2リットルを沸かしたら赤じそ一袋、クエン酸20gを加えて色が出るまで煮ます。赤じそを取り出して、お砂糖は好みで600~800gを加えてさらに20分ほど煮出します。
2,3倍に薄めて飲むのですが、我が家では炭酸水で割るのが定番です。美味しくて毎日飲めるし、見た目の鮮やかなルビー色に元気をもらっています。
                                なかむら

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所…犬の散歩道を避けるのは至難の技だわね)    

                                                           料理人:よこやま         


2010年 7月21日

  昼めし献立 

  • 長茄子と車麩、インゲンの醤油煮
  • キュウリと人参、生姜の即席漬
  • 味噌汁(カボチャ、油揚げ、長ネギ)
  • 白いご飯

本日のオイシイ!
いのちの限り、真夏の陽射しを浴びて輝く野菜たち。眺めたり、手の中で転がしたりしているだけでも生命力をもらっているよう。

きのうは、ロールキャベツの中にしまいこまれた車麩を、きょうは、ひょろ~り長細い茄子といっしょに煮くことに。
油と相性のいい茄子は、ごま油で炒めてから、だし汁で戻した車麩とともに、だし汁と酒と醤油で煮ていきます。汁でだぶだぶにしないで、少し濃い目の味付けにして、弱火で茄子の水気を呼び出すつもりで。それほど時間はとりません。この長茄子は皮が薄く、果肉も柔らかめなので15分くらいで味もしみました。最後にインゲンを加え、インゲンのグリーンが褪せない程度で火を止めて盛りつけます。
じんわりと味が染みてむっちりとしまっ車麩の味わい深いこと。茄子もとろけそうな食感です。夏野菜の主役の1人、インゲンもおいしさがのってきました。
キュウリはちょっと力が入ったら、パキッと折れてしまいそうなほどの瑞々しさ。そのキュウリに塩をまぶし、板摺りし、斜めに細く包丁を入れて塩を馴らしたら、大ぶりに切って、千切りにした人参と生姜と合わせて小皿などで重石をし、冷蔵庫へ。食べる直前に余分な水気を絞って盛りつけ。
本日の味噌汁はカボチャと油揚げの具に、長ネギも加わりました。当事務所定番ともいえる味噌汁ですね。カボチャがあると、一度は味噌汁に入れたくなってしまいます。


本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所…犬の散歩道を避けるのは至難の技だわね)    

                                                                 料理人:よこやま


2010年 7月20日

  昼めし献立 

  • 野の扉のブリオッシュ・オ・レザン(バター、蜂蜜、卵、牛乳まで入ったリッチな食パン)
  • 麩と豆腐入りロールキャベツ煮
  • 茄子、トマト、キュウリのサラダ
  • トマトと玉葱の味噌汁

本日のオイシイ!

だらだら梅雨がとうとう明けた! と喜んだら、いきなりの猛暑。干上がりそうな喉と頭蓋骨に、思いっきりつややかな夏野菜は干天の慈雨。

きょうは野菜が届く日。穫れたての野菜って、自分から熱を発するので、常温のコンテナ積みなんかだと、野菜どうし狭いダンボールの中で押し合いへし合いして、着いたころには蒸し風呂状態となる。野の扉では鮮度を保つため夏場は冷蔵発送しているから、ダンボールから顔をのぞかせた夏野菜たちは触った手を押し返してくるほど、どれもはちきれんばかりの肌艶で、あれも食べたいこれも使いたいと、こちらは血迷いぎみ。ボルテージが上がりっぱなしになるのを、なだめすかし、まずは、茄子紺色の映える茄子と、キュウリ、トマトをシンプルなサラダに。
特に漬物用の茄子じゃないんだけど、そのまま齧ってもおいしい! これを厚めに切って塩をひと振り。やさしく手で揉んでたっぷりの水に放し、水気を軽く絞り、ボウルへ。1本のまま塩をまぶして板ずりし、5ミリ厚くらいに斜めスライスしたキュウリ、大ぶりに切ったトマトもボウルへ。まとめて冷蔵庫へ。食べる直前にオリーブ油をまぶし、甘酢を振りかけて盛ります。しゃりしゃりした青紫蘇をたっっぷり刻んでトッピング。

土の匂いまでいっしょに吸い込む気がする穫れたて野菜の、気合い料理的なものだけでなく、人参、大根のように日持ちのする野菜でじっくり料理もあり。ここのところ、キャベツの日持ち性に甘えていたことを反省、にわかにキャベツ食いに転じます。
元祖(というのも大げさか)新潟は三条産のぎっしり肉厚車麩を入手したので、これを温めただし汁で戻し、汁気を絞っておく。キャベツの葉を剥いてさっとひと蒸しし、冷めたら、2枚重ねにして、刻んだ車麩と先週の残りの沖縄豆腐を包む。鍋にごま油少々を熱し、ターメリックを炒めて香り(ほんの隠し味にネ)をだしたところにロールキャベツをなるべくぎっしり詰め込む。余った豆腐や麩、削ったキャベツの芯も隙間に詰めて、だし汁と酒を注ぎ、塩、醤油で煮込む。
意外と手もかからず、鍋に仕込んでしまえば自然と鰹のだしが沁みてくれる和風のロールキャベツ、なかなかのおいしさですねえ。冬ならこれにあんをかけるというのもおすすめ。
味噌汁の具には、量も充実してきたトマトを、玉葱とあわせて。玉葱の味噌汁って、子どもの頃、わたしにはとっても苦手なもののひとつだったけれど、いつの間にか大好きになっていたのは、われながら不思議だわ~。こんなふうに大人になってから食べられるようになったり、嫌いだったのが大好きになったりした食べものの多いこと!

 

左の赤いほうは「サンティオ・トマト」というんですって。自然農法研究センターで開発されたとのこと。イタリアのトマトに似た姿ですね。

           料理人:よこやま

本日のお茶 ドクダミ、ヨモギ、熊笹のお茶

2010年7月16日

  昼めし献立 

  • 島豆腐と茄子のチャンプルー
  • ツルムラサキと千切りキャベツ・人参のナムル
  • 島豆腐と小松菜、油揚げの味噌汁
  • 生姜入りご飯(青紫蘇入り)

本日のオイシイ!

沖縄の豆腐、みっけ! ずし~んと手応え、しっかりものの島豆腐は、炒めて本領発揮。夏野菜代表の茄子とあわせて。

それにつけても、久しぶりに手にした島豆腐の圧倒的な存在感よ。
島豆腐ときたら、迷わずチャンプルーです。水気を絞らずすぐ炒め物に使えるのがうれしい。ゴーヤがあれば最高なんだけどね、夏野菜の代表格、茄子に協力してもらうことに。
ニンニクを炒め、分厚く切った茄子と人参を炒め、茄子に火が通ってきたところで大ぶりに包丁を入れた豆腐を加えて、塩と、ふっふっふ、あるんですよ、島コショウのピバーヅが。これがあってこその八重山チャンプルーというもの。ピバーヅは白保ではほんとうは“スッパキ”言うのだそうですが。八重山独特のコショウの原料となる蔦草で、家々の石垣にからんで自生していましたっけ。小指大の赤く熟した実を乾燥してすりつぶした、島ではなくてならぬ香辛料です。胡椒の辛味とシナモンの香りが合わさったようなエキゾチックな辛味と香り。沖縄ソバもこのスッパキが活躍するとのこと。
ツルムラサキ

見ているだけでもりもり力が湧いてきそうなツルムラサキも届いています。醤油とおかかでさっぱりと食べるおひたしも捨てがたいけれど、きょうはすりおろしニンニクと塩と、胡麻油の香りでナムルに。湯がいて水気を絞ったツルムラサキに、キャベツと人参の千切りを混ぜて。
味噌汁にも島豆腐です。小松菜と油揚げを合わせて。

ご飯は千切り生姜を入れて炊きました。仕上げに青紫蘇を細く千切りにしたのをたっぷり混ぜこみます。爽やかな生姜の辛味と、紫蘇の香りがだらりとした空気を払ってくれるよう。

昼飯コラム

きれいな海水で固めていた島の豆腐

わっ、島豆腐! 出先からの帰りに通りかかったデパ地下で、みるからにどっしりとした沖縄豆腐の姿が目に飛び込んできて、おいでおいでって手招きしている。もちろん、ためらわず買いましたわ。
以前に、石垣島白保部落を訪ねた折、土地の方が、こちらの豆腐はこうして作るんですと、舟でサンゴ礁の向こうまできれいな海水を汲みに行って、その海水を投入に混ぜながら固める豆腐作りを見せてくださったのでした。
海水塩から垂れたにがりで豆腐をつくるものとばかり思っていたので、海水と混ぜられて、ふわふわ~と固まってきた豆腐に、ほぉーんとうにびっくり。おまけに「豆腐はできたての温かいのを食べるもの」という話で二度びっくり。さらにさらに、できたての海水豆腐の、なんておいしかったこと! 広げた掌からはみ出しそうな大きさとずっしりとした豆腐の重みにもう感動しっ放し。
あたしも田舎出の人間なんで、野菜でも魚でも自分が子どもの頃食べていたのがいちばんおいしい!なんて、美化してるところがあるけど、強く触ったら崩れんばかりの水分をぎりぎり保持したのが「おいしい豆腐」。粋に通じるっていう東京人の豆腐自慢も、けっこう思い込みなんじゃないの、と、各地のいろんな豆腐を味わってからは、けた外れの発信力をもつ東京発の情報には一呼吸おくようになった体験でもありました。

本日のお茶

ドクダミとヨモギのブレンド。じめじめ、うっとうしい梅雨が続きます。温かい薬草茶でからだすっきり。     

                                                             料理人:よこやま