昼めし日記

2005年1月25日
昼めしの献立 

  • 煮玉子八角風味
  • レタスと玉葱サラダマリネ風
  • ジャガイモ、カボチャ、ベーコンのトマトスープ
  • 薩摩揚げの炒め物
  • 天然酵母パン(麦々堂、ヤマGEN、カントリーママ、ジャイランバティ)

 先週の九州出張でやまほどパンを買ってきました! おまけに北海道の麦々堂からもパンが届いて…なんてゼイタクなお昼ごはんなんだ。パンの写真は撮り忘れたのでまた。
 しかしこうして食べ比べてみると、ぜんっぜん、味わいが違うんですねえ。ジャイランバティの石窯焼きの香ばしさや、カントリーママの酵母の甘ーい匂い、しっとりふしぎな渦巻き断面、ヤマGENの硬い表面のなかになんとも印象深い小麦粉の香り&味わい! もちろん麦々堂も言うに及ばず…。バターもつけずともほんとうにおいしい。

 スープはトマトジュースに玉葱とベーコンをじっくり炒めたものを入れて、ジャガイモも入れてぐつぐつ煮込んだポタージュ風。煮くずれないよう、カボチャだけは少し大きめに切って…黒胡椒をたっぷりめに。
 おなじく九州、というか鹿児島みやげの「薩摩揚げ」。強火であぶった薩摩揚げに、胡麻油で炒めた人参、茹でてあったホウレン草を和えて、塩を多めに、最後に醤油を回し入れて香りをいかしたスピード炒め。岡山出身のスタッフが「やっぱり鹿児島の薩摩揚げは甘いー!」と言いながら食べていましたが、そう? そんなもん? 他を知らないからなあ、と鹿児島出身の私は思いつつ。枕崎港の魚だけをつかっているとのこと、貴重な品です。「最近はアミノ酸とか入ってない練り物、なかなか見つからないもんねえ。入ってないの時々買うと、ちょっと甘いもんね。甘めにつくってあるのかもね、保存がきくように」と編集長。なぜ鹿児島なのかは察してください。→新刊が出ました!

 残っていたサラダがすっかり酢とオイルに漬けこまれてマリネのようになってたので、あらたに玉葱などスライスし増量。煮玉子は、八角と生姜と酒と醤油を煮立たせた汁につけておいたもの。でも、何より、ずらっと並んだ各地の天然酵母パンがごちそうだったなあ…。噛みしめ、噛みしめ、いただきました。

本日のお茶 ゲンノショウコ
本日のおやつ ブラウンライスカフェのお菓子

料理人:でこ


2005年1月17日
昼めしの献立 

  • 蕪と玉葱のサラダ
  • 春キャベツの煮びたし(油揚げ、ちりめんじゃこ、大根を入れて)
  • 大根葉ごはん
  • 味噌汁(じゃがいも、さつま芋、蕪の葉、人参)

 文京区本郷の坂の上から東京ドームをみおろすと、ときどき、うす紅色のとても美しい夕焼けが見える日がある。本郷で働きはじめた頃、ある人が教えてくれた。今日はそんな日でした。

 端境期で「野の扉」から届く野菜の種類は少なめ。つかってもつかっても箱の底から何かが出てくるような気がした夏とは全くおもむきのちがう野菜箱だ。それでも熊手みたいな山芋や(縁起がいいかも)、ものすごく太い大根(まるで太もも?)…新聞紙にくるまれたユーモラスな姿をひとつひとつのぞく楽しみは同じ。熊手ならぬ山芋はまた今度にして、今回は残っていたキャベツ丸ごとひとつつかうをテーマに。
 黄緑色あざやかな春キャベツ。歯ごたえがよさそう。ざっくり切り分け、太い大根の一部(むいた皮はとっておく)とともに塩をふり生姜と少しの出し汁で蒸し煮に。キャベツからも水分が出てかなりかさが減ります。とちゅうから油揚げとちりめんじゃこを入れ醤油を回し入れつつ、ときどきかき混ぜ味をみつつ弱火で煮て、ある程度味がしみたら鍋に蓋して置いてさらになじませる。
 蕪は皮をむかずにスライスして塩をふっておいて、水気がでたら軽く絞って。スライスした玉葱と茹でておいた葉物をあわせ、酢とごま油とレッドペッパーで和えてサラダに。蕪や玉葱の白さにペッパーの赤が映えてきれい。レッドペッパーは見た目ほど辛くありません。辛いのが苦手な私も大丈夫。(これがカイエンペッパーだと泣くことになるのだが…)

 大根の皮(さっきむいたの)千切り、大きな大根本体から切り取った大根葉も細かく刻んで、出汁をとったあとの鰹節もしぼって刻んできんぴら風に醤油で炒りつけ、炊きあがった生姜ごはんにまぜる。この方法は昆布だしのときもいけます。味噌汁には、先週の残りものの煮物を足して。

 自然食通信社に入っていちばん覚えたことは、だしがらや野菜の皮や残りものの調理法だろうなー。ほのかな苦味、甘味、味わい。思いがけないコラボレーションでうま味が出て、おいしいのですよ、これがまた…。(その秘密を知りたい方、『台所サバイバル』がオススメ!)

本日のお茶 ヨモギ
本日のおやつ 香港土産のごま饅頭菓子

料理人:でこ


2005年1月14日
昼めしの献立 

  • みかんピラフ 
  • 人参と大根の味噌トマトソース煮 
  • キャベツとゆで卵のサラダ
  • 味噌汁

子どものころは冬中、毎日、飽きもせず食べていた蜜柑も、大人になったらなぜか(体が冷えを感じやすくなっているからか)あまり食べなくなり、外皮がガチガチに硬くなったまま放置してしまったりする。
どうしょうかと思案のはてに包丁を入れてみたら中は凝縮した瑞々しい果汁が。それを絞ってご飯に炊き込んだのが、自然食通信社風ミカンピラフの始まりという次第。これは春から初夏にかけて届くようになる八朔や甘夏でも作ります。柑橘の香りも豊かなご馳走に。

作り方はいたって簡単。電気釜の底にオリーブ油とクミンシードを敷き、お米を入れて水分量の(少なくとも)半分くらいはミカン汁にして、軽く塩コショウし、スイッチオン、というだけ。これを基本にナッツ類を加えたり、玉葱の刻んだのやベーコンが入ったりすることも。

堂々と立派に育った大根が「使ってよ」と言いたげに出番を待っている…冬の大根はすぐに火が通り、甘味も豊富。ほとんど毎日、大根が昼の食卓にのらないことはないといっていいくらい。そして今日は、大ぶりに切った大根と人参を昆布と一緒にやわらかくなるまでに煮たのを、味噌、トマトジュース(いただき物。重宝いたしました)、白ワインを煮詰めたたれで和えて。味噌とトマトジュースの割合は味噌が勝ちすぎないくらいに。その時々の気分ではありますが。

サラダはさっとゆでたキャベツと刻んだゆで卵に、オリーブ油とキャラウェイシードを熱したのをジャッとかけ、塩、胡椒、酢少々とざっと混ぜ合わせて。住まいの近所のカフェでたまに食べるサラダに使われていたキャラウェイシード(のような気がする)の香りに刺激されてつくってみた試作品。
麦々堂のライ麦パンにこのキャラウェイがいっぱい入っていて、これが私の一番好きなパン。猫に鰹節、ぎんにはキャラウェイ~ …蛇足。。

本日のお茶 ヨモギ
本日のおやつ 伏木の名菓「千代くるみ」

料理人:ぎん


2005年1月12日
昼めしの献立 

  • 人参葉たっぷりのオレンジピラフ
  • 白菜古漬けカレースープ
  • 白菜の蒸し煮柚子胡椒味
  • 玉ねぎ・チーズ入りオムレツ
  • 赤カブ漬け

 年末年始のお休みをはさんだ関係で、ひからび気味の食材で冷蔵庫のなかの砂漠化が進んでいる。こういうときはこういうときで、腕のふるいがいがあるもんです。
発酵してきた白菜の古漬けはカレー味のスープに。トマトジュースを水分の半分ほど使い、カレーリーフ、カレーパウダー、カルダモンなどが主なスパイス。里芋、人参も加え、残り物の蒸かし芋も入れたら程よい甘味が出てきた。きのうより3度ほど気温が低めの本日。熱々のスープでおなかがぽかぽかしてきた。
年末にいただいたグリーンオレンジは、少し皮がしわしわ気味ながら、絞ってみると2個でちょうど2カップほど果汁が取れるほどのジューシーさ。この果汁を全部使って、オレンジピラフに。間引き人参の葉をヒゲ根も小さな実も一緒に細かく刻み、クルミ、オリーブオイル、塩と一緒に最初からピラフに炊き込む。スパイスとして、シナモン、クローブ、胡椒。仕上がりは温州ミカンのピラフより、酸味も甘味も控えめでおだやかな味。人参葉がクルミとよくあっている。
柚子胡椒も、冷蔵庫の奥にまだ残っていた。白菜をざくざく切って鍋に入れ、柚子胡椒と味噌、刻み昆布、水少しを合わせたものをまわしかけ、そのまま蒸し煮に。「柚子胡椒はお刺身にもいいですよね」との声も。わさび代わりに醤油に少し混ぜたり、おでんにも、おすすめとのこと。忘れててごめん、柚子胡椒さま。
玉ねぎとチーズ入りのオムレツには、クミンをきかせる。何となく消化にいいような気がするのだけれど、クミンの薬効は?とインターネットで調べてみると、「消化を促進し、胃腸内にガスがたまるのを防ぐ作用があります」とある。なるほど。

本日のお茶 ヨモギ
本日のおやつ 伏木の名菓「千代くるみ」

料理人:しろ


2005年1月11日
昼めしの献立 

  • 炊き込みご飯(生姜、サツマイモ、京人参) 
  • ジャコと白菜炒めの甘酢あんかけ 
  • 人参葉入りポテトサラダ 
  • 味噌汁(大根、ジャガイモ、長葱)

自転車通勤には北風が身にしみる季節。からだを温める根菜類が途切れず届くのがありがたい。ジャガイモ、玉ネギなどのストックもあるし、楽しきかな根菜料理。

さいの目に切ったサツマイモと京人参、それに針生姜を入れて塩味で炊き込んだご飯。京人参の赤色が映えてちょっとご馳走風に。

白菜は6~7センチ幅に切ったら繊維の方向に刻んで。こうすると炒めたときシャキシャキ感が増す感じ。多めのごま油を熱して刻んだ鷹の爪とチリメンジャコを炒め、香りが出たところに白菜を入れてざっと炒めたら、だし汁、酒、醤油、酢、砂糖少々を混ぜ合わせたたれを加えてフタをし、軽く蒸し煮に。白菜に少し味がしみてきたら、水溶き片栗粉でとろみづけ。用意していた青菜を入れ忘れたため、これは盛りつけの彩りへ。カンタンに出来る。スピード料理です。

暮の休みに入る前に濡らした新聞紙にくるんで冷蔵庫に入れた間引き人参の葉が瑞々しく甦っていたのでサラダに使うことに。さいの目に切ったジャガイモと京人参をゆで、あら熱を取って、みじん切りにした人参葉を混ぜ合わせたら、オリーブ油と塩少々、酢を全体にからめる。彩りも鮮やかなひと品に。畑から直接ならではのうろ抜き人参のやわらかい葉は香りもやさしく、パスタ料理にも大いに活躍してくれてうれしい。

味噌汁の具は冬の定番ともいえる大根とジャガイモ。味噌は「カムイブロートの食卓」に登場する北海道はイカウシのアガペ農園、勝子母さんからのいただきもの。ゆっくり低温発酵のまろやかな味。煮えばなにぶつ切りで投入した長ネギの甘味も効いて。

本日のお茶 ヨモギ+宿根ソバ
本日のおやつ 金沢土産の和菓子

料理人:ぎん


2005年1月5日
昼めしの献立 

  • 生姜入りご飯 
  • 八頭の変わり煮 
  • 千切りジャガイモと水菜のサラダ 
  • 焼きママカリの甘酢漬け 
  • 味噌汁(大根、ジャガイモ、油揚)

写真下は初雪が降った昨年12月30日の本郷界隈。

大災害が重なった2004年が暮れて、晴れやかとは言えない気分のなかで迎えた新しい年。当編集部も年末から続く追い込み作業で相も変わらぬ慌ただしい年明け風景となりました。忙中の間隙を縫いつつのひるめし支度から生まれるアリ物料理、楽しんで見てるよ、というささやかな仲間内的激励?に応えて今年もつづきます。

インフルエンザや風邪がじわじわと寄せてきている。予防をかねて生姜炊きこみご飯を。ざっと水をくぐらせ辛みを和らげた針生姜をたっぷり入れて。塩も少しね。

暮れに届いていた八頭(子どもの頭ほどもある立派な物でした)を大ぶりに切って。ライ麦パンに入っているキャラウェイシードの香りが訳もなく好きで、色々試してみたく買ってきた。これをたっぷりめのオリーブ油で香りを引き出したところに八頭を入れおおまかに油を馴染ませだし汁(いつもの鰹節のだし。鶏ガラスープならさらに相性がいいかも)を八頭がかぶるくらいに注いで汁気が無くなるくらいまで煮含めて。けっこういける味。おおむね好評です、とは手前味噌か。

サラダ用のジャガイモはスライスして細い千六本にしてざるに入れ一度水をくぐらせてからたっぷり沸かしたお湯で軽くひと煮立ちさせて水にさらして水切り。水菜はざく切りに。作り置きしていた八角風味の醤油と酢と香りづけのごま油を少し加えた中華風ドレッシングで和えて盛りつけたらクルミを刻んで散らす。

岡山からのお土産ママカリ(まま=ごはんを借りてきてまで食べたいくらい美味いというところからついた名前とのこと)はコハダに似た魚。焼いてから甘酢に漬けてあって骨まで美味しく食べられました。岡山出身の人はみんな知っていました。

年越しをしている間にすが入ってしまった大根は、いくら煮てもすの部分は柔らかくならず。味噌汁の出来はいまいち。でもこれで残っていた野菜は全部使い切ったから、新しい野菜が届くのが楽しみ。

本日のお茶 ヨモギ+宿根ソバ
本日のおやつ スパイスクッキー(無印良品で購入。新製品の由)

料理人:ぎん