昼めし日記

 2010年8月24日

  ●昼めし献立 

  • ノラのライ麦入り食パン
  • ジャガイモ2種と蒸し茄子、パプリカ/ピーマンのサラダ
  • キュウリと若布の芥子醤油和え
  • トマトと玉葱のかき玉スープ

 本日のオイシイ!

サツマイモのような紅色の皮の鮮やかさや、濃い黄色の肉質 ‥と、種類も味も広がったジャガイモに、茄子紺もきれいでしょ。

パンは野の扉・伊藤ご夫妻の息子、雪丸くんが自宅の工房でつくっています。きょう届いたばかりの3割ライ麦が入った食パン、ライ麦の酸味もほどほどで、リッチな食パンより、こっちのほうが好きかも。メリハリのきいた料理と相性がよくって、パンも料理も味を引き立て合っているよね。
先日都内のスーパーで見つけた「佐渡バター」(佐渡島‥平成の合併で全島が新潟県佐渡市になった)も添えました。ミルクの風味が生きてる、新発見の地産商品です。スタッフ手づくりの杏ジャム、甘夏ママレードもそろって、本日はパン日和といったところ。


ジャガイモを使ったサラダ。皮の紅色がきれいな「レッドムーン」「インカのめざめ」の2種と、さっと蒸した茄子、オレンジ色のパプリカに緑のピーマンでどこかエキゾチックな彩りに。
去年バイトに来てくれていたしろがね嬢(いまは、ほやほやマダム)の蔵王土産のドレッシングであえました。ホエー(牛乳からチーズをとった残り。でもカスじゃないんですよ。栄養分がたっぷりあって牛さんにもあげたりするそう)をベースに、植物油、酢、卵黄、玉葱、アンチョビ、はちみつ‥と贅沢にいろんなものが入っていて、マヨネーズとドレッシングの中間といったところ。
アミノ酸などの化学調味料無添加というのも、くどい味じゃなくて気持ちいいです。

スープのだしはいつものとおり、鰹節で。気もち薄めにとります。トマトは天然アミノ酸がたっぷりあるし、玉葱からもだしや甘みがでるので。これだけでもじゅうぶんおいしいのに、だぶついてきた卵の消費もと欲張って、かき玉スープになりました。

★★昼飯コラム★★

   手回しの氷水(こおりみず)
  汗だくで出前してくれたおばさん

風呂のある家がまだ少なかった昭和30年代の地方都市の下町。一に遊び、二にも遊び、宿題忘れて廊下に立たされても、遊びだけは忘れず(親も打つ手なしとあきれてたみたい)の小学生時代。清潔好きの兄は毎日お風呂屋さん(”銭湯”とは言ってなかったな)に行っていて、いつも石けんの匂いがしてたけれど、遊びに忙しい私を風呂屋に連れていくのに母はずいぶんてこずったらしい。女の子がまっ黒けになって遊び呆けているのだものねえ。
風呂屋は家から歩いて5~6分のところ。当時の銭湯は夜の7時、8時といったら、文字どおりの芋洗い状態。蛇口も洗い場所も確保するのがたいへん。裸のおばちゃんたちが殺気だっていたり。のぼせ一歩手前状態で風呂屋を出ると、すぐ前にはお菓子やパンを売る店があって、夏は、氷水(かき氷のこと)も出す。電動ではありません。おばさんが汗だくになって手回しするのだけれど、風呂上がりの客が外まで広がって大繁盛。イチゴやメロン(もちろん色と香料をつけた砂糖水)5円。この氷水にありつけるのはたまにだけれど、おいしかったあ。
とにかく氷水の注文の多いことと言ったらたいへんなもので、氷水で夏場、そうとう要り上げたのではないだろうか。氷水の出前までしていたのだから、スゴイ。
わが家でも日曜日など、ときどき出前をしてもらっていた。おばさんがおかもちに氷水を入れて走って届けてくれるのだ。ラーメンが延びるのと、氷水が溶けるのとどっちが早いか!というくらい、おばさんの姿が見えるまで気がもめてしかたなかった。
溶ける分を割り増ししていたのかもしれないけど、汗をかきかき駆け込んでくるおばさんが実にたのもしく、かいがいしくみえた。子供心にひどく感動していた気がする。
エアコンも冷房もなく、団扇の時代のこと。

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギの薬草茶。 

 

                                                                 料理人:よこやま


2010年 8月3日

  昼めし献立 

  • ゴーヤと長茄子入り玉子焼き
  • 夏野菜のサラダ
  • ノラの天然酵母食パン
  • 茄子と車麩の味噌汁

本日のオイシイ!

麻婆茄子には「マー坊」茄子 って、駄洒落じゃありません。中国野菜の改良品種だそう。ソフトな味わいが持ち味かな。ゴーヤと一緒に卵焼きに閉じ込めました。

野の扉からは、ほとんど予告なしに、初めて見る野菜が入ってきます。こちらも本業で忙しいため、「わ、青い茄子だよ! ずんぐりしてる」「丸い瓜みたいなのが入ってる。へぇ~、これもズッキーニなんだ」などとワーワー言いながら、だいたいは料理法も調べず、成り行きまかせ、どんな仕上がりになるんだろうかと不安と期待半々、調理開始となります。

今週で2度目の登場となる、このひょろりとした長茄子も、新しい品種のよう。じつは料理を作ったあとで、野の扉のホームページと種苗会社のサイトで調べて、中国野菜を改良した「マー坊」という茄子と知ったしだい。「麻婆茄子に使うとおいしい」って、駄洒落みたいなネーミングが笑えます。
まずは、この“マー坊”茄子と、ゴーヤをそれぞれスライスして油で炒め、コショウ少々と塩で薄味をつけ、溶いた卵に混ぜ込みフライパンで卵焼きにします。
みじん切りの玉葱とトマトをざく切りにして鍋にかけ、白ワインとカイエンヌペッパーを加えて煮詰めたソースを玉子焼きに添える。ゴーヤの苦味が卵でちょうどいいぐあいに。油を吸った茄子もソフトな口あたり。トマトソースとふんわりホロ苦卵焼き。お子ちゃまに食べさせるのはもったいない。大人の味というところ。

気温の急上昇とともに、もう毎週、夏野菜のオンパレード。少し前まで、ああ~、貴重なトマト! とてもいっぺんに食べられやしない、なんてケチケチ使っていたのが、先週あたりから、3種類ものトマトがわんさかとボックスに入ってくるし、つやつや茄子に、指にとげが突き刺さりそうなキュウリ…と、想像されたくないけれど、野菜を両腕に抱えて鼻息あらくなっているこのごろであります。

よりどりみどりの夏野菜から、(またもや)ゴーヤ、キュウリ、玉葱、ピーマンをひたすらスライス。ゴーヤは軽く塩でもみました。これらをあわせて、香りを楽しむくらいの量のオリーブ油を全体によくからませ、塩と酢を混ぜ合わせただけの、シンプルサラダを一皿。“素材主義”に徹したら、これがまた滅法ウマい! 彩りに散らしたプチトマトも程よい酸味です。

野の扉・ノラの天然酵母食パンも野菜といっしょに届きました。中身もしっかりしていながらソフトに焼き上がって、食パンにしちゃあちょっと贅沢じゃござんせんか。トーストにしただけでもおいしい。
レシピの締めは、味噌汁を車麩とマー坊(長)茄子の具で。バイトスタッフの中村嬢がおうちの庭でとれましたって、持ってきてくれた可愛らしい茗荷をきざんで薬味に。さすがに年中スーパーにあるのと違って、香りもしっかりしてる。茗荷のあのなまめかしい香りにすっかりハートを奪われているヨコヤマなので、一袋なんぼの茗荷を手に入れたら、冷奴に山のようにかけてしまい、豆腐を食うのか茗荷食いかわからなくなるくらいの茗荷好きなんだけど、ま、お盆過ぎの楽しみにしときましょ。

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所…犬の散歩道を避けるのは至難の技だわね)    

                                                                 料理人:よこやま


2010年 8月2日

  昼めし献立 

  • モロヘイヤと車麩の甘酢餡仕立て
  • カリカリニンニクとカシューナッツ入りライス
  • ツルムラサキと千切りジャガイモのおひたし
  • ツルムラサキと豆腐の味噌汁

本日のオイシイ!
片栗粉も要らないほどの、とろとろ、ねばねば揃い!

灼熱の国エジプトからやってきた、お陽さま大好き野菜の

モロヘイヤと、緑濃いツルムラサキが食欲をそそります。

梅雨明けと同時にやってきた連日35度といった猛暑の日々に、暑く長い夏を覚悟したのでしたが、この1週間ほどは、比較的過ごしやすく…その間にいくらか暑さにからだが慣れてきた気がしませんか。還暦過ぎの身には要注意“熱中症”というわけで、水をこまめに取るようにはしているけれど、野菜好きでよかったぁ。ほとんどの野菜の90%は水分ですもの。しかもビタミン、ミネラルたっぷりときてるから、ただ水だけ飲むより、水分とお陽さまをいっぱいに浴びて滋養に満ちた野菜料理をもりもり食べていたら暑い暑い夏を元気に乗り切らせてくれるにちがいないと思っとります。

有機野菜の産直では夏の定番となったモロヘイヤ。小ぶりの桜の葉と見えなくもないけれど、刻むとすぐに粘りが。おなじ夏野菜のオクラと、とろとろを競っています。
そのとろとろ感をめいっぱい味わえるよう、細かく叩くように刻みます。戻した車麩も粗みじんにして、たっぷりとっただし汁を砂糖、醤油で濃い目に味付け。乾し海老と車麩を煮て味を沁みこませたところに、刻んだモロヘイヤを(両手で包めるほどの量が手元にはあり)を加えて煮立たせ、最後にスライスしたキュウリも入れてひと煮立ちさせたらできあがり。片栗粉なしで甘酢仕立てのとろりモロヘイヤ&車麩煮に。これを揚げニンニクとカシューナッツ入りライスにかけていただきます。

あら、こちらも、ねばねば!。肉厚、濃い緑色も艶やかなツルムラサキも「食べてよ」と言ってます。あの匂いがちょいと苦手という人もいるけど、これを食わずして夏を送ることあたわず…といいたいほどの個性あふれる夏野菜でございます。
にもかかわらず(?)、だし醤油のおひたしてシンプルに食べるのが意外やツルムラサキの個性的な味わいを引き立てて、おいしいんですね。以前、ごま油とおろしニンニクでツルムラサキのナムルをつくったときは、これ、合うわねえと、感心したことがありましたが。
で、本日はさっぱり系の、だし醤油(だし汁と常備の割り下を合わせるだけ)でいきます。ジャガイモ(黄色が鮮やかな「インカのめざめ」です)の千切りをさっと湯がいたのと、蕪を漬け込むときに使った昆布の千切りと合わせて。彩り、きれいですね。

 ★★昼飯コラム★★

 身近な野菜になったモロヘイヤ

灼熱の砂漠の国エジプトからやってきたモロヘイヤ。有機農業の農家では、早くからこの新顔野菜の栽培に取り組まれた方も多く、80年代後半には事務所に届く産直野菜の中に入ってきていました。
85年頃と思うけど、雑誌『自然食通信』(現在は休刊)編集部に、このモロヘイヤを日本に普及させたいので、栽培してくれる農家を紹介してくれないかと、「種」を持って女性が訪ねてこられた。
「エジプトでは古代より王様の食べる野菜と言われて、たいへん栄養豊かな野菜です」と熱心に語られていたことを思い出します。
当時、外来野菜より、日本各地の風土で長くつくられてきた野菜の価値の再発見を…と考えていたので、その方が「種を分けて、育ててもらいたい」と言われるのにあまり乗り気になれなかったのですが、栽培は地道に続けられ、あれから四半世紀という時が流れて、モロヘイヤもスーパーの高級野菜の売り場から、ずいぶん身近な野菜になりました。
包丁で刻めば刻むほど、とろとろ感が増すモロヘイヤ。地球温暖化が叫ばれるこの頃、“灼熱”化傾向が増すばかりの日本の夏に、エジプト原産野菜も住みやすくなったと感慨しきりかも。

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所…犬の散歩道を避けるのは至難の技だわね) 

                                                                 料理人:よこやま


 2010年7月27日

  昼めし献立 

  • カボチャと緑色茄子のチーズ和えサラダ
  • 千切り野菜サラダ(おろし人参とトマトのドレッシング)
  • 玉ねぎ、茄子、カボチャの味噌汁
  • ノラ・カンパーニュ



カボチャと蒸し茄子を合えてサラダにって、おもしろいでしょ。

茄子のペーストはアラブ諸国ではよく食べるようですよ。オリーブ油が
決め手。

今日もどっさり届いたぴかぴかの夏野菜! その中に緑色の茄子を発見しました。しかもとても細長~い。どんな味がするのだろう。さっそく使ってみる事にしました。小さく切って玉ねぎも一緒にオリーブオイルで炒め、茹でたかぼちゃ、塩漬けの黒オリーブと和えます。味付けは塩こしょうと冷蔵庫の奥底から掘り出した”スキクィーン”という品名の山羊チーズ。チーズを固めたときに残るホエーという(豆腐を固めた残りの液体と同じものですね)のを、もう一度チーズにしたもので、スエーデン、デンマークなど北欧諸国では家庭でよく作られてきたものだそう。
時間がたって石のように堅くなったのを(賞味期限2007年!)がりがり削って入れました。チーズだけ食べるとキャラメルのような味でおいしいのです。こんなに時間が経ってもおいしくてチーズって素晴らしい! サラダにこくが出ました。緑の茄子もさっぱりとしてサラダにあうかも。

サラダ2品目は残り物活用サラダです。昨日、編集長が人参、紫玉ねぎ、きゃべつ、ピーマンを千切りにし、塩もみしたものがあったのでちょっと拝借してざく切りトマトとおろした人参でドレッシングを作り、上にのっけました。超簡単サラダです。おろし人参がとってもあまくて塩もみ野菜と相性バッチリでした。
 今週の野の扉のパンはもちもちとしたカンパーニュです。味噌汁とも合います。
だんだん進化していて毎週楽しみです。

届いたばかりの野菜も今すぐ使いたいし、でも冷蔵庫で眠ってるものも気になるし右往左往しながら作りました。家でもこんな感じでバタバタ料理しています。何と何を組み合わせるか結構悩むけれどそれも楽しい。クリエイティブ!だから料理はやめられない。
                                    
スタッフ・まりを

緑色の茄子、こんなんです。

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所…犬の散歩道を避けるのは至難の技だわね)    

 

                                                                 料理人:よこやま


2010年 7月23日

昼めし献立 

       

  • ナスとピーマンの甘味噌炒め
  • 生ピーマンのサラダ
  • 新じゃがの煮っころがし
  • シンプル野菜スープ



 生のシャキシャキ感を生かして夏野菜の王道「ピーマン」で、簡単サラダはいかが
ピーマンは縦に細切りして、しょうゆ、ごま油、塩を加えて軽くもんでから冷蔵庫で冷やします。いろどりにプチトマトを添えて、食べる直前に黒コショウを挽いてできあがり。シャキシャキっとお漬けもの感覚で、意外にたくさん食べられます。

新じゃがの煮っころがし。皮をむいたジャガイモを茹でたら、ゆで汁を捨てます。バターとしょうゆを落として、粉ふきいもの要領で鍋にフタをしてゆすります。仕上げに香り豊かなバジルのみじん切りを散らして。大葉やパセリでも良い香りに!
野菜スープはシンプルに。玉ねぎとニンジンを炒めて、水と昆布を入れて煮ます。味付けは塩コショウだけ。野菜の甘みが際立ちます。

ナスとピーマンの甘味噌炒めはポピュラーなものですが、千切りしたショウガを多めに加えて大人の味に仕上げました。

毎年この時期になると、夏バテ予防に赤じそジュースを作っています。シロップの
作り方はとても簡単で、水2リットルを沸かしたら赤じそ一袋、クエン酸20gを加えて色が出るまで煮ます。赤じそを取り出して、お砂糖は好みで600~800gを加えてさらに20分ほど煮出します。
2,3倍に薄めて飲むのですが、我が家では炭酸水で割るのが定番です。美味しくて毎日飲めるし、見た目の鮮やかなルビー色に元気をもらっています。
                                なかむら

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所…犬の散歩道を避けるのは至難の技だわね)    

                                                           料理人:よこやま         


2010年 7月21日

  昼めし献立 

  • 長茄子と車麩、インゲンの醤油煮
  • キュウリと人参、生姜の即席漬
  • 味噌汁(カボチャ、油揚げ、長ネギ)
  • 白いご飯

本日のオイシイ!
いのちの限り、真夏の陽射しを浴びて輝く野菜たち。眺めたり、手の中で転がしたりしているだけでも生命力をもらっているよう。

きのうは、ロールキャベツの中にしまいこまれた車麩を、きょうは、ひょろ~り長細い茄子といっしょに煮くことに。
油と相性のいい茄子は、ごま油で炒めてから、だし汁で戻した車麩とともに、だし汁と酒と醤油で煮ていきます。汁でだぶだぶにしないで、少し濃い目の味付けにして、弱火で茄子の水気を呼び出すつもりで。それほど時間はとりません。この長茄子は皮が薄く、果肉も柔らかめなので15分くらいで味もしみました。最後にインゲンを加え、インゲンのグリーンが褪せない程度で火を止めて盛りつけます。
じんわりと味が染みてむっちりとしまっ車麩の味わい深いこと。茄子もとろけそうな食感です。夏野菜の主役の1人、インゲンもおいしさがのってきました。
キュウリはちょっと力が入ったら、パキッと折れてしまいそうなほどの瑞々しさ。そのキュウリに塩をまぶし、板摺りし、斜めに細く包丁を入れて塩を馴らしたら、大ぶりに切って、千切りにした人参と生姜と合わせて小皿などで重石をし、冷蔵庫へ。食べる直前に余分な水気を絞って盛りつけ。
本日の味噌汁はカボチャと油揚げの具に、長ネギも加わりました。当事務所定番ともいえる味噌汁ですね。カボチャがあると、一度は味噌汁に入れたくなってしまいます。


本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所…犬の散歩道を避けるのは至難の技だわね)    

                                                                 料理人:よこやま