昼めし日記

   やってまいりました。暑苦しい夏?いやいや、それともまだ梅雨が明けていない?だいぶ早い段階からムワ~ンとした生暖かい空気にまとわれている事務所です。今からこんなに暑くて大丈夫か?東京の水がめは?などとあちこち心配はしてみるものの、時々思い出したように雨を降らせているおてんとさん。どーなってるんだぁ?ということで、身体がついていくのもなかなか大変ですね。お昼のまかないにおいても、ごはんつぶが食べたいのか?しかしパンも口の中でモソモソする季節だな、と食料ストックを眺めながら料理人さまの脳内レシピはあちこちの引き出しをひっぱりだし…。さすがです。なるほど、これがぴったりかも、というメニューになりました。(み)

7月12日(火)(料理人 よこやま)

DSCN0733・ズッキーニと枝豆ととうもろこしのクスクスピラフ
・冷製スープ ビシソワーズ
・フレッシュサラダ

 

 

 

 

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毎日おいしいまかないをたらふく食べているのに、どんだけ!ってほど更新をサボっておりました。。あれもこれも“独創的”で“うんまい”まかない揃いだったのにお見せできなくて残念。(いえ、ちゃんと記録はとってありますけれどね…)ということで今週、野の扉より届いた野菜たちの中にいよいよ夏の到来を感じさせるベビーコーンが。ほらみて!とザクリと皮に手を入れて見えてきたはキラキラ光る“とうもろこしのヒゲ”。ヒゲの大群(?)を崩して分け入るのがもったいない程だけど、その奥にはほんとに小さくてかわいらしい粒々の、生まれてネ!なベビーコーン。この大量のヒゲから養分が送られて立派なとうもろこしに育つんだね、と盛り上がりました。だからこんなにキラキラだったんだ、ヒゲ。これから最盛期に向かって育ついのちはキラキラだっていうことです。(あたりまえか…)(み)

6月8日(水)
・鶏むね肉入りラタトゥイユ風スープ(カルダモンが入ってGood)
・赤い大根とポテト、きゅうりのサラダ(赤キャベツ、枝豆、新玉ねぎ、フェンネルの茎入り・自家製マヨネーズで)
・車麩とニラのチャンプルー(ニラが肉厚でしっかりしていた)
・ライ麦の黒パン(ノラの黒パンはどこのものより味わい深い)

 DSCN0601 

 

 

 

 

 

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先週から雨がひたすら降っている。曇りと雨の日々。よく降りますねえ。昨日はちょっと晴れ間が出て、やっぱりおひさまが顔を出すとうれしい!なんて思ってたら、今日はまたまた曇り空。ころころと変わりやすい天気に、『洗濯物が乾きませ~ん!』。
さて、ただいまインターン生を受け入れ中の当事務所、昼めしもにぎにぎしい日々。野菜の消費も早い!次の『野の扉』のやさい定期便 の日を待たず、やさいBOXの中は閑散としだす。箱の中でさみしそうにコロンと転がったじゃがいもたちや、冷蔵庫の中のこまごまとした野菜たちを眺めながらしばし脳内シミュレーション、作りながらもメニュー変更して。(み)

zenntai20150826
・ゴーヤとパスタの韓国風炒め
・甘トウガラシのポテトサラダ
・モロヘイヤとオクラの味噌汁
・頂きもののパン
(料理人 やまうち)

 

 

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 2010年8月31日

  昼めし献立 

  • カボチャとオクラの煮物
  • ワカメと春雨とキュウリ、ゴーヤのナムル風
  • 干し海老入りサラダライス
  • モロヘイヤと麩の吸い物

★★昼飯コラム★★

  懐かしいシオカラトンボ

「安定した太平洋高気圧のおかげ(?)できょうも最高気温35度」と手もち無沙汰ぎみに伝えるラジオのお天気キャスターに筋違いの文句を言うわけにもゆかず、25分の自転車通勤をさぼって久しぶりにバスでご出勤。始発だから座れるし、わずか15分ほどだけれど、短いエッセー1~2編は読めるしで、楽チンなことこのうえなし。
発車してまもなく、反対側の席のほうからビ、ビ、ビ、ビ~と気ぜわしい音がして、目をやるとトンボがガラス窓のあちらこちらとやみくもにぶつかって立てている音でした。窓はびっしり閉まっていて、開くかなあと思いながら見上げると、横長の細い窓が。六十肩に響かないよう、すべり具合のひどく固い窓を20センチほどようやく開けたけれど、こっちに来てくれるかなあ。目の前でジタバタしているトンボにまったく目もくれず携帯に夢中なのは二十歳そこそことみられる若い女性。あ、反対側に座った女性も頭の上の窓をこじ開けてくれている。こちらは30代後半といったところか。
トンボは大きさから、シオカラトンボかな。子どものころはさんざん追っかけていたものです。…
どうやら少しばかり開いた窓からトンボは思ったより早く脱出できたようでした。
昆虫たちが束の間のいのちを燃焼する夏。ため息もらすほどかすかながら、早朝の空気や、からだを包む夕暮れ時のほてった風のなかにも涼やかさが忍び込んで、季節の変化は少しずつ確かな感触になってきています。
あぁ、涼しくなったらなったで、夏バテに襲われるんだろうなと、もう片方では早手回しの現実を引き寄せてしまいました。

 本日のオイシイ!

秋近し。カボチャのおいしさがひき立ちます。

天ぷらがイチバン、煮物はちょっと、と言わず、作ってみて。


夏の終わりから秋にかけてのカボチャ。甘みがのっておいしくなりますよね。私の世代だと、子どものころ、カボチャといったら、まずは表面に入った筋がクワッと中心に食い込んだ形のカボチャではないかしら。ねっとりと水分が多く、煮れば汁をたっぷり含んで口のなかでとろけそうに。
天ぷらと言えば野菜揚げと、相場のきまった庶民の食卓では、このカボチャが主役のひとり。それからサツマイモ、インゲン、茄子、牛蒡…。今のような新顔野菜なんてほとんどありまっせん。近所に油屋さんがあって、一升瓶を持って白絞油(菜種油を精製したもの)というのを時々買いに行かされたっけ。量り売りの時代です。
明けても暮れてもこんなところ、1960年代も半ばを過ぎる頃には、現在主流のホクホクした果肉の“西洋カボチャ”(とか北海道カボチャとか言ってた)やピーマンも登場。我が家では神楽ナンバンという辛味のある、ピーマンの野生種のような姿をしたのを大人はウマイうまいと食べていました。

で、ことしはカボチャの煮物がマイブームに。せっせと家でも事務所でも作っております。
だいたいは面取りなんぞというめんどうなことはやらず、角がくずれたっていいわ主義でいくのだけれど、ことしは何回か、仕上げの美しさにも挑戦してみるかと、面取りして煮てみました。これはホクホクのエビスカボチャタイプ(品名は違ってたけど)。カボチャに甘みがあるので、砂糖も味醂も使わず、だし汁と酒を煮たて、塩と醤油をひと差し。これでも甘いものの苦手な人には甘~い!といわれそうな仕上がり。最後の煮汁でオクラをさっと煮たのをあわせて。

ナムルは、すりおろしたニンニクと塩ポン酢(全農直営店で発見。アミノ酸無添加が気に入ってただちにゲット! 橙果汁と酢と塩、昆布だしなど)と、だし汁少々、ごま油のドレッシングで、軽く塩もみして水気を絞ったキュウリと、春雨と、揉み海苔を和えます。韓国のナムルほど個性は強くなくて、ソフトナムルとでも名づけましょうか。

ごはんにも、甘夏果汁のほかにこの塩ポン酢を使ってみます。干し海老も一緒に炊き込み、
粗熱がとれたら、キュウリの塩もみを混ぜ込んで。

吸い物はモロヘイヤと車麩の具で。だし汁、塩、醤油少々で味つけ。

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所…犬の散歩道を避けるのは至難の技だわね)    

                                                                 料理人:よこやま


 2010年8月30日

  昼めし献立 

  • 三尺ササゲと薄焼き卵の豆板醤炒め
  • スルメイカとジャガイモの煮物
  • キュウリ、ワカメ、春雨のサラダ
  • 甘夏果汁入りごはん
  • モロヘイヤと油揚のスープ

ゆく夏を惜しむにしては、蝉たちの合唱のにぎやかなこと。畑から届く野菜はまだまだ夏のエネルギーをたっぷりと湛えて、秋を迎えるからだをつくってくれています。

降りしきる蝉の声。
オーシ ツクツク、オーシ ツクツク
姿は見えねど、残り少ない夏を思わせる、つくつく法師。ジ~ジ~とひどくにぎやかなアブラゼミの響きを縫って名残の夏を歌っています。

連日、「最高気温34度」と変わり映えしない気象情報にうんざりしながら、強烈な陽射しと蝉時雨の中を自転車を走らせ出勤です。8月に入ってから当事務所もエアコン稼働日数1週間の新記録。あまり汗をかかない、という不思議な感覚をあじわいつつ。
さらに暑い暑い埼玉は寄居の畑から、瑞々しい野菜が途切れずに毎週ちゃんと届くのはほんとうにありがたいこと。野の扉のみなさんの労働に感謝!
月曜日の昼飯は先週の野菜で作るのだけれど、野菜の鮮度が長持ちするのにも大いに助けられています。
さてさて。
ひとつは、三尺ササゲ。30年ほど前、関西の市場で始めて見かけてビックリ。三尺といえば1メートル近く。実際それくらい伸びるらしいが、伸びればおいしいというものでもないようです。手元のは40センチくらい。扱うにはちょうどいいです。
ほかのインゲンにくらべ水分が少なめなので、炒めものに活躍してくれます。本日は、薄焼き卵とあわせて。油をひき、ニンニクと豆板醤を軽く炒めて香りをだしたところに三尺ササゲを入れて炒め、酒と醤油を少々。せん切りにした薄焼き卵も加えて味を馴染ませればオーケー。夏向きピリ辛の一品。
もう一品は、家でつくったもの。イカを煮て半分ほど味がついたら、煮汁でジャガイモを煮て、あとで合わせてもうひと煮し、味を含ませる。他にも大根はいうまでもなく、サツマイ、茄子もイケます。

サラダのドレッシングは、バルサミコ酢(黒酢でもいいかも…と言ってた人も)+醤油と胡麻油(香りのいい上等なのをほんの少し)。夏にはぴったりの春雨と、キュウリ。それにワカメ。

スープは、鰹節と刻み昆布をあわせただし汁に塩で調味。モロヘイヤと油揚げを細かく刻んで。卵消費をかねてかき玉スープに。

ごはんは、甘夏の果汁と水を同量くらい、干し海老を加えて炊きました。

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギ(ご近所…犬の散歩道を避けるのは至難の技だわね)    

 

                                                                 料理人:よこやま


 2010年8月27日

  ●昼めし献立 

  • 茄子と車麩の麻婆
  • オクラのカシューナッツ和え
  • 夏野菜サラダ(キュウリ、トマト、紫玉葱)
     
    おろし玉葱入りドレッシングで

  • 間引き大根と油揚げの味噌汁

 本日のオイシイ!

「むちっとした噛み心地と色つやがお肉みたい!」と歓声あげ

た30代と、「麩だよ~ 子どもの頃から食べさせられてたの」

と感激薄い親世代。でもおいしいのはいっしょ。

今年、遅まきながら麻婆料理にめざめさせてくれたのは、感覚を刺激する素晴らしい香りの中華花山椒。
つややかな茄子紺の色には、料理”魂”(ハハ、おおげさ‥)をむらむらと喚起させるものがありますしねえ。というわけで、食べて、食べてと誘惑する茄子を山椒の香りとともに麻婆茄子にしました。相棒は油との相性もいい車麩。
この茄子&車麩麻婆をひと口食べた30代の若いスタッフが「うわ~、お肉みたい!色といい、食感といい」とびっくりしていましたが、その親世代の私にとって、麩なんてあまりにありふれた食べ物で、”肉”と重ね合わせてみるなど考えも及ばないことなので、お肉中心の学校給食で育った世代の、食卓に「肉」料理があるのがあたりまえの感覚から思わず出た表現がじつにおもしろかったです。しっかり噛み心地もある車麩はたしかに色んな料理にもっと活躍してもいいかもね。

オクラはさっと湯がいて、すりおろしたカシューナッツを混ぜ合わせた醤油味のだし汁に浸け、少し味をしみ込ませます。事務所からの帰り道にある、居酒屋のメニューから拝借。懐ろに負担のかからない値段と、若き板前さんのセンスがなかなかよくて、たまに立ち寄ります。

サラダは定番の夏野菜を、盛りつけだけ変えて。満艦飾だわね。ちょっと恥ずかしく思う世代デス。辛みの少ない玉葱をすりおろして、酢、塩、オリーブ油のドレッシングをかけました。

本格的な秋に向けて、猛暑の畑でけなげに生きている大根の間引き菜が届きました。径1センチほどの細い根も葉もまだまだ幼く、ざくざくときざんで、さっと味噌汁へ。口の中だけでも秋の気配を味わって、ほぉ~っと一息。

★★昼飯コラム★★

  枝からもいで食べまくった無花果の甘美な記憶

先日、近所の八百屋ではじめてイチジクを買いました。よく熟れておいしそうに見えたのです。あまり大きすぎないところもいい感じでした。
わが家の裏庭にあった無花果の木に毎日のように登って、美味そうに熟れたものからもいでは食べていたあの甘美な記憶。とうとう熟れずに木に残った最後の実までとり尽くし、母が砂糖で煮て鍋いっぱいの甘露煮にしてくれるのを、まだかまだかと火のそばで待っていた楽しい想い出などもあり、なかなか無花果を買って食べる気にはならず、長い歳月が過ぎていたというわけです。
買った無花果のお味は…? 記憶が美化されやすいということを差し引いても、あの、木で熟した無花果のが凝縮した甘みとねっとりした果肉のおいしさにはとうてい叶わず、というところ。こんなものだろうと想像していたのでそれほどがっかりもしなかったのだけれど。
”日本イチジク”と”西洋イチジク”と呼んでいた2本の木が庭にはありました。西洋のほうはすっと背が高く、小学生では登れなくて、父や兄にとってもらっていたけれど、よくいえばさっぱりした味。甘みが薄く、なにかもの足りない。それにひきかえ日本イチジクは低い位置から太い枝が四方に伸びていて、登るのに格好の木でもありました。
隣家の柿の木にもしょっちゅう登っていて、こちらは、「柿の木は折れやすいから」と母がいつも心配そうにしていたことも思い出します骨折もせず無事に大人になったのは不思議なことに思えるほどお転婆(も死語か)。
いま、果物の木が葉を繁らせられるほどの庭をもつなんて、贅沢なことでしょうかね。柿、無花果、蜜柑、杏…お店で買わなくても、実がなるまでゆったり育てる楽しみ、プロの農家がつくる見栄のいいものほどでなくても、自家製の果物が食卓にのぼる暮らしっていいですよね。そういう私には、夢のまた夢の話ではありますが。

本日のお茶

ドクダミ(新潟・松之山産)とヨモギの薬草茶    

                                                                 料理人:よこやま