昼めし日記

2010年 3月11日

  • 麦々堂のプチパン(クルミ入り、チーズ入り、
    キトピロ入り)

  • ジャガイモと人参のポタージュスープ →
  • 豆腐とすり胡麻のディップ
  • 紅菜苔の炒めもの+スクランブルエッグ


☆昼飯コラム☆
今までコーヒーやハーブティーは好きでよく飲んでいました。知人の家で飲んだルイボスティーがおいしくて真似して買って、家で飲んだりとか。薬草茶もちょっと気になってはいたけれどコーヒーや紅茶に比べると特別なものというイメージがありました。でも野菜や薬草にあふれる自然食通信社で働き始めて、ドクダミやヨモギ、玉ネギの皮のお茶などをよく飲むようになって、日本の薬草茶に親しむ機会がふえました。
 そして最近よく薬草茶を飲んでいます。ヨモギやどくだみ、穀類のアマランサスなど。それぞれに煮出している時の香りが違い、味も違い、これはどんな風に体に効いてくるんだろうと楽しみながら飲んでいます。おかげで特に寒かったこの冬も風邪の気配など全くなく過ごしてしまいました。
 薬草はすごい、かもしれない。古代の人々が体で実感しながら薬になることに気付いていった草や花。この本には、薬草をお茶にする他、ご飯のおかずやお菓子、お酒などにもできるレシピが載っています。こんな風に薬草を使って楽しみながら病気を寄せ付けない体にしていけたらどんなにいいでしょう。気負わずに、ちょっと出かけたついでに薬草探しをするヒントも教えてくれます。
 都会に住んでいるとなかなか手に入れにくいものもあるけれど、ぶらっと探しに行ってみたくなりました。
                                                (マリヲ)

        
          ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

”洋食”と言ってたころの「ポタージュスープ」は、どこか懐かしい味。

昭和30年代に中学生だった私にとっての、最初の洋食の記憶は、ポタージュスープ。「3丁目の夕日」世代ですね。家庭科の調理実習で、
ジャガイモと人参を茹でて、こし器(ちゃんと馬の毛でつくってあった)で、腕がくたびれるほど(1班6~7人分だからけっこうな量!)裏ごしし、牛乳でのばしてできあがったスープのおいしさといったら、なんだか夢をみているよう。何しろ、横文字料理はおろか、「料理」などと気取った言葉に縁もゆかりもない庶民の母親からは生まれようのないものだったし。そうやって、子どもたちは、学校を通して親の知らない新しい世界に出ていったのね。生まれて初めてチーズやバターといったハイカラな食べものに触れたのも給食や、家庭科だったように思う。
後になって考えると、ハイカラというより、素朴な料理といえるかも。ジャガイモには天然のアミノ酸が豊富にあるので、ふかしただけでもおいしいし、煮物にすれば他の具材の味も引き立ててくれる、たのもしい素材。バターとジャガイモと牛乳で、ときどき、ひどく略式におおざっぱなポタージュスープをつくります。いまや懐かしい料理のうちにはいっているのかもしれない。
この日は、スライスした玉葱を炒め、茹でて裏ごし(笊です)したジャガイモとすりおろした人参を加えて牛乳でのばしたもの。菜の花の緑も見えています。

ディップは豆腐にすりおろした胡麻をたっぷりと、オリーブ油で。塩味のみ。

油との相性のいい紅菜苔。強火で炒めて塩と香りづけに醤油少々。これを敷いた上に、チーズ入りスクランブルエッグをのせて。

本日のお茶

薬草茶〔アマランサス(根津の借家の庭で2階に届くほどに逞しく育ったアマランサスを干して保存していたもの)〕茎も葉も実もいっしょにじっくりと煮出します。
           からだの芯から温まって、ふ~う、ほっこり。          

                                                                  料理人:よこやま


2010年 3月9日

  • 麦々堂のプチパン(クルミ入り、チーズ入り、
    キトピロ入り)

  • ディップ2種
     
    千切り大根の山椒風味/山芋と人参の胡麻風味→

  • リンゴ蒸し煮
  • ジャガイモ・玉葱・ブロッコリのサラダ
  • 大根・山芋千切りと水菜のスープ

☆昼飯コラム☆

 今までコーヒーやハーブティーは好きでよく飲んでいました。知人の家で飲んだルイボスティーがおいしくて真似して買って、家で飲んだりとか。薬草茶もちょっと気になってはいたけれどコーヒーや紅茶に比べると特別なものというイメージがありました。でも野菜や薬草にあふれる自然食通信社で働き始めて、ドクダミやヨモギ、玉ネギの皮のお茶などをよく飲むようになって、日本の薬草茶に親しむ機会がふえました。
 そして最近よく薬草茶を飲んでいます。ヨモギやどくだみ、穀類のアマランサスなど。それぞれに煮出している時の香りが違い、味も違い、これはどんな風に体に効いてくるんだろうと楽しみながら飲んでいます。おかげで特に寒かったこの冬も風邪の気配など全くなく過ごしてしまいました。
 薬草はすごい、かもしれない。古代の人々が体で実感しながら薬になることに気付いていった草や花。この本には、薬草をお茶にする他、ご飯のおかずやお菓子、お酒などにもできるレシピが載っています。こんな風に薬草を使って楽しみながら病気を寄せ付けない体にしていけたらどんなにいいでしょう。気負わずに、ちょっと出かけたついでに薬草探しをするヒントも教えてくれます。
 都会に住んでいるとなかなか手に入れにくいものもあるけれど、ぶらっと探しに行ってみたくなりました。
                                                前田真理子

        
          ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

担々麺ならぬ”大根麺”?! 中国花山椒の香り・刺激にしびれます。

千切りにした大根をから煎りして火を通し、胡麻油、塩、中華花山椒でサラダをつくったつもりが‥大根を麺に変えたら、この花山椒を分けてもらった、ご近所「栄児家庭料理」の店の看板料理、担々麺の味になるんじゃないの~~、というほど、山椒の香り高く、確かに、店のマスターが「この花山椒は、他のと全然違います!」と、ひと抱えほどもある山椒の瓶を見せながら憤然としていたのにもなっとく。ほんと、ガツンっときましたね。日本に麻婆豆腐を紹介し根づかせた著名な中華の料理人、陳健民さんが、故郷の山椒なしには本当の麻婆豆腐の味にならないけれど‥と言っておられたそうだけど、わかる気がするなあ。

もう一種は、山芋とろろと、人参すりおろしを合わせて火を通し、こちらはパレスチナ・オリーブオイルの瑞々しい香りと、塩、すり胡麻とでいただく。人参の割合を多くすれば、さっぱりめに、山芋を多くすればねっとりします。

この冬最後の1個になったリンゴ。少ししわしわになった皮をむき、鍋で蒸し煮すれば、フレッシュなジャムといった風。この蒸しリンゴにマスカルポーネチーズをのっければ、おやつにも。紅茶ととてもあいます。

店頭には、早手回しに、新ジャガも顔をのぞかせているけれど、寒さに耐えて、甘みをたくわえた越冬ジャガイモでつくるポテトサラダのおいしさといったら! 玉葱をスライスし(いよいよ、芽の勢いが強くなってきて、さすがに水さらししました)、水気を絞って、ブロッコリと、ゆで卵もざくっと刻んで、和えるのはサワークリームを使うことが多いけれど、きょうはマヨネーズで。

スープは塩味のみ。鰹節少々でとっただし汁に鋏で細く刻んだ昆布を加え、そのまま具を加えて煮る。具は大根と山芋の千切り。仕上げに水菜を散らし、胡椒の香りをアクセントに。

本日のお茶

薬草茶〔アマランサス(根津の借家の庭で2階に届くほどに逞しく育ったアマランサスを干して保存していたもの)〕茎も葉も実もいっしょにじっくりと煮出します。からだの芯から温まって、ふ~う、ほっこり。          

本日のおやつ

近江八幡の和菓子店、たねやのどらやき。池袋の百貨店で買いました。
1個ずつ袋入り、というのは今や普通だが、袋を開いたら、さらにプラスチックのお皿にどらやきがおさまっていたのにはびっくり。形が崩れないようにとの配慮だろうけれど‥  

                                                                  料理人:よこやま


2010年 3月5日

  昼めし献立 

  • 大口蓮根と根菜(玉葱、人参)の旨煮ターメリック風味→
  • 玉葱炒めて醤油とバルサミコ酢で
  • ブロッコリと蕪のサラダ
  • 人参・生姜入りご飯
  • 長葱と千切り山芋の味噌汁

根雪の下から掘り出された蓮根は、でんぷんを蓄えほっくりと甘く、
煮物のおいしさ再認識。

蓮根、人参は大きめの乱切りに、玉葱は四つ割りくらい。キャベツは軸から離さないように櫛形に切る。少量の油でターメリックを炒めたところに玉葱、蓮根、人参を入れ、だし汁、酒を加えて煮込む。味付けは醤油のみ。玉葱、人参など甘みで、砂糖も味醂もいらないほど。

けさ読んだ週刊誌で仕入れたばかりの(ワインに合うという)玉葱炒め。ざくざくと1センチ幅くらいに刻み、オリーブ油(だとその香りに負けるので、とあったけど構わず)で薄茶色に変わってくるまで中火より弱火くらいで炒めたら(10分くらいでした)、醤油で味付けし火を止め、仕上げにバルサミコ酢(酢の種類は書いてなかった‥ような)とオリーブ油で和える。
炒めてねっとりと甘みが引き出された玉葱と酢の相性がよかったというところだけ拝借。オリジナルレシピからほとんど外れてしまう。バルサミコ酢、醤油、オリーブ油との相性もよかったデス。ただ、繊維に沿って縦に1センチ幅というのが、見た目、ちょっと鈍クサイかな。次回は輪切りでやってみませう。スタッフの前田嬢も「甘みの出た玉葱とバルサミコ酢は合いますねえ。とてもおいしい」との感想。玉葱大1個半が3分の1くらいに嵩が減って、二人でほとんど消化。まあ、こんな大量の玉葱食いも春先までかもしれない。

春近し。サラダの色も、なんだか春を告げるような淡い緑です。当事務所昼飯では定番レシピのひとつ、オリーブ油をほんの少し全体によくからめ、塩を振っただけの、ブロッコリと蕪のサラダ。サラダ菜の芯の部分を敷いて。サラダ菜の芯に近いところって、ほのかに苦みがあって、もしかしてチコリと親戚かな。姿もちょっと似てるような‥あとで調べてみよう。

醤油漬けにしていた針生姜の残りと千切りにした人参(軽くから煎り)を炊きあがったご飯に混ぜ合わせて。
味噌汁は、甘みののった長葱をたっぷり刻んで、千切りの山芋と。

本日のお茶

薬草茶〔ドクダミとトウモロコシのひげ(?…トウモロコシの実を包んでいる。
          女性のからだを守ってくれると聞いています。香ばしくて
          おいしいですよ。お隣の韓国では古くからトウモロコシの
          お茶もあります)〕

本日のおやつ

岩手県平泉町の名刹、毛越寺の脇にオープンした「アグリ平泉」直売所で
見つけた、黒豆のお菓子。香ばしく煎って黒砂糖うっすらとまぶしてある。
ワルンロティ大和田聡子さんプロデュースの「きんいろパン屋」も大人気です。
地場産小麦の「コユキ」「南部小麦」「ユキチカラ」を使った小麦の味が香る
他所ではなかなか食べられないラインナップです。桜の季節にお出かけあれ。

                                   料理人:よこやま


2010年 3月3日

  昼めし献立 

  • 車麩と切り干し大根とほうれん草の卵とじ
  • 蓮根と紅菜苔のきんぴら
  • 千切り大根の味噌汁
  • 野の扉の漬け物
  • 白いご飯

久々、「麩」にめざめたら、止まりません!
出張先の新潟駅の売店で購入した車麩が事務所の昼飯で大活躍。
子どもの頃は、あまり好きとは言えなかった麩(といえばこの「車麩」のことだった)も、最近またよく食べるようになり、都内にある各県のアンテナショップなどで見かけたおりなど、値段も手頃なのでつい出てしまう。キッチンの場所ふさぎ(?)になって反省することも多々あり‥というしだい。
初めて沖縄料理を食べたのは70年代の終わりころ。飯田橋駅の近く、カウンターだけの沖縄料理を出す居酒屋だったと記憶している。初めてづくしの沖縄料理体験だったけれど、いちばんのカルチャーショックは「へちま」の炒め物。へちまといえば、お風呂でからだを洗うものとばかり思ってたもの。若いヘチマは要するに瓜と同じなのね。ふわふわした、いくらか頼りない食感がと~っても不思議なおいしさだった。しばらくして「麩ちゃんぷるー」も体験。実家では麩を炒めるなどきっと母が思いつかなかったのだろう。素材に触発されて料理もバリエーションが広がる経験の楽しさに私自身が目覚めていった時代でもありました。

卵とじは、酒、塩、醤油で味付けしただし汁を煮立たせ、切り干し大根を放り込んでふやけたところに、ぬるま湯で戻して水気を絞った車麩を入れ、煮含め、味がしみたら、ゆがいたほうれん草を加え、卵でとじる。たっぷりのだし汁を吸った車麩はふっくらとして、つるりとした咽ごしで、うっかりするといくらでも食べそうになるのでご注意を。ほうれん草はたまたま残っていて、なんとかせねばと思い立っただけで、他にも合いそうな素材はいろいろありそう。

「弁当の日」新潟応援団の長岡在住の高桑さんが送ってくださった「大口蓮根」(地元新潟でも評価が高く、ブランドになっている由)を、事務所のスタッフと分け合いながら、贅沢なそのおいしさを堪能しています。
きょうのキンピラは、蓮根を繊維に沿って縦に切って炒めたもの。よけいにもちもち感が増して、「これ、これ!この食感」と、粘り腰(新潟ブランドの筆頭「コシヒカリ」を作ってきた粘土質の田の力なのか)の蓮根は懐かしい味。アクの強い紅菜苔は鉄鍋で炒めると反応して真っ黒になるので、火を止める直前に投入。味付けは塩、胡椒で。花山椒の香りとも合うと思ったのだけれど、あらら、ストックを切らしてた。

最近、小耳にはさんだこと。「大根の味噌汁は、千切りがいちばん!」っていう”男子”が多いそうな。上京したての若い頃、「味噌汁の大根は千切り」と思っていたら、さすが全国から人が集まる東京。その場にいた人たちの大半は「いちょう切り」だと言うのに、びっくり。そうか、それもアリかと、以来、私もいつしか、いちょう切り派に。
それを聞いて、ここのところ、先祖帰りしたかのように、味噌汁は千切り大根づいているよこやまであります。具の相方は、里芋。そろそろ里芋の季節も終わりに近い。ねばねば好きには、淋しいものが‥


雪の下に埋もれた田からようやく掘り出したという大口蓮根。火を通すとむっちりした肉質と味わい深さに、他所の蓮根は食べられんという声も。

本日のお茶

薬草茶〔ドクダミとトウモロコシのひげ(?…トウモロコシの実を包んでいる。
          女性のからだを守ってくれると聞いています。香ばしくて
          おいしいですよ。お隣の韓国では古くからトウモロコシの
          お茶もあります)〕

本日のおやつ

岩手県平泉町の名刹、毛越寺の脇にオープンした「アグリ平泉」直売所で
見つけた、黒豆のお菓子。香ばしく煎って黒砂糖うっすらとまぶしてある。
ワルンロティ大和田聡子さんプロデュースの「きんいろパン屋」も大人気です。
地場産小麦の「コユキ」「南部小麦」「ユキチカラ」を使った小麦の味が香る
他所ではなかなか食べられないラインナップです。桜の季節にお出かけあれ。

                                   料理人:よこやま


2008年 5月20日
昼めしの献立 

  • 人参炊き込みごはん 
  • 大根、人参、春雨の塩味スープ
  • 大根とヒジキの炒め煮 
  • ブロッコリー、初物キュウリ、新玉ネギのサラダ

初物キュウリ見参! 一年ぶりの再会です

前夜から“来るよ”“来るよ“と言っていた予報があたって、大雨が強風ととともに
子どもたちの通学時間帯を狙い撃ち。高校生を暴風雨のなかに送り出すことになった友人が「びしょ濡れになったのでは」と心配そうに語っていました。
「五月晴れ」の季語も霞んでしまいがちなこのごろのぐずぐず天気がじれったくて、思いっきり下駄でも蹴り上げたくなっちまう。(昔はこれで天気を占ったんだものねえ)
そんなときに届いた畑からの野菜たち。箱から取り出した縮緬ヂシャの厚みのあるフレアーはフレンチカンカンのようなあでやかさ、おぉーっ、キュウリの初物も見参なり! 植物が発散する精気ってすごい。まだ口にしていないのに、しゃっきりときつけ薬のような効果あり。最初に手をふれる料理人の特権ですね。
日々の元気は野菜のおかげかな

香り立つ春野菜をいまのうちに味わい尽くしたく、ごはんには人参のみじん切りをたっぷり。刻み昆布少々と塩もほんの少々。炊きあがったら、みじん切りの人参葉を混ぜ込んで。
今週は大根消費週間。溜まった大根を使い切ろういうわけです。
最近は水で戻さなくても使える生ヒジキが出回っているから、これを大根、人参と炒めて、
醤油味で煮詰めます。大根と相性がいい煮干しのだしで煮てもいいですね。サヤインゲンを最後に加え
て彩りに。
文句なしの小気味いい歯ざわり、味噌をつけてかぶりついてもよし、という初物キュウリを本日は酢醤油にゴマ油の香りを効かせたドレッシングで。さっと蒸して甘みが増したブロッコリー、スライスしただけのしゃっきり新玉ネギも加わります。トッピングは煎り胡麻。
塩味スープの具は、大ぶりに切った大根と人参、戻してあった春雨。最後の水菜も入れて。だしは鰹節。
本日のお茶

薬草茶(スギナ、ドクダミ) 

本日のおやつ

          

新潟土産の飴最中

                                   料理人:よこやま


2008年 5月 9日
昼めしの献立 

  • ほうれん草のカレー、ゆで卵添え 
  • 人参、ズッキーニ、茎ブロッコリの中華風味サラダ
  • 塩味スープ(キャベツ、ニラ)

卵かけごはんに”化学調味料”ひと振りの謎

 熱々炊きたてごはんのてっぺんをお箸でちょいと窪ませ、ぽんっと殻を割った卵が具合よく窪みに落ち着けば、ひとりにんまり。ぷっくり、つやつやの黄身、盛り上がった白身。崩すのは惜しいな…なんてひとりごちながら、黄身の真ん中を箸で広げ、ささっと醤油をかけたら、ごはんを巻き込むように混ぜまぜ。ところどころ黄身がごはんの熱で固まりかけるくらいが、わたしの好みかな。
 野菜といっしょに事務所に届く卵は、いつも草や地中の虫などつつきながら歩き回っている鶏さんに菜っ葉やら糠やらあげる代わり(?)にヨコドリしてもらっているもの。卵はいま、市価で15円くらいでしょうか。こちらは40円というわけで、贅沢な卵かけごはんです。これにあと味噌汁とお漬物か佃煮でもあれば、いたって安上がりなれど絶品朝食メニューに。
ところがところが…少し前、テレビのCMを何気なく見ていて、のけぞりましたよ。熱々ごはんに生卵をぽんっ、ここまでは同じ。そこに化学調味料をぱぱっとふりかけて、「卵かけごはんがいっそうおいしくなります」というのね。
卵はアミノ酸の固まりみたいな、旨み凝縮食材なのにねえ。人気急上昇中の”旬”の役者さんの瑞々しい存在感と相まって食欲をそそられそうな映像に仕立てられていますが、鶏飼育の現実とのギャップも思い浮かび、ひどくシラケた気分に。毎度の事ながら、コマーシャルの光と影、考えさせられます。

      
赤い茎のほうれん草をカレーにしてみました

こう書いたところで、本日の昼飯は、卵かけごはんにあらず。インド料理店では定番メニューのようになっているほうれん草のカレーに挑戦です。
ペースト状にまでするのは面倒だし、ほうれん草もたくさん要りそうだしと、横着を決め込んで
これまで自分で作ろうとは思わなかったのですが、届いたばかりのいろんな野菜を新鮮なうちに消化しなくちゃと、思い立ったのがこのカレーづくり。
赤紫色の茎という新品種のほうれん草をひと束ぜんぶ、ざくざくと刻んで。
いつものように、クミンシード、粒胡椒、ローリエ、カルダモン、ターメリック、辛味のカイエンペッパーなどを油で軽く炒め、ほうれん草を入れてさらにひたすら炒める。本当はミキサーなどでペーストにするのかもしれないけれど、そこは適当に。塩、コリアンダーを振ってまたまた炒め、ふたをして蒸し煮に。
最後にガラムマサラを少々。それらしくなったようです。ほうれん草もなんとか二人分の分量に。スタッフs嬢が「オイシイです~」と言ってくれました。
サラダは瑞々しい人参を千切りに。茎がおいしい

ブロッコリーを軽く蒸して。初お目見えの可愛らしいズッキーニは生でスライス。これらを酢醤油にからめ、皿に盛ってから、軽くごま油を回しかけて。
刻み昆布(先日、大横丁通り商店街の鰹節問屋、鵜飼商店にひさしぶりに寄ったら、「昆布チップ」というネーミングでした)でだしをとったスープは、キャベツの千切りと、ニラを具に。味つけは塩コショウと、カレーに合わせて、ガラムマサラを少々。

本日のお茶

カフェマヤのグアテマラコーヒー 

                                   料理人:よこやま