2010年10月13日
●昼めし献立
- ノラのクルミパン
- 鶏肉とミニ白菜の塩スープ(鶏腿肉、ミニ白菜、人参、インゲン、パスタ)
- ジャガイモと挽き割りエンドウ豆のサラダ
- 菊の花とオクラの胡麻和え
- 芋茎の薄味煮
- 叩きキュウリと茗荷のおひたしえ
本日のオイシイ!
この秋初めての菊の花と芋茎。年中店頭にある菊の花も、季節はもちろん秋! 見つけたら料理せずにはいられないのです。
本日も、鶏さんが活躍。
「サラダ白菜」というのも届いています。いっしょに付いてきたメモには「秋一番のミニ白菜です。固めの外葉をはずした中の方は、葉っぱの表面に『毛』がないので、玉レタス風に生食できる白菜です」とありました。
外葉はしっかりした手触りで、煮物でもくたくたになりにくいかも。これを鶏さんと煮てみましょう。ぶつぶつと切った鶏肉を油少々で軽く炒め、玉葱、人参、白菜も炒めたら水を注いで塩胡椒で味付け。半分くらい味が染みてきたら手でぽきぽき折ったパスタを加えて、パスタが柔らかくなればオーケー。インゲンを仕上げに。
ジャガイモと挽き割りエンドウ豆を煮てほくほくしてきたら、水気を飛ばして、塩胡椒し、牛乳を加えて少し練って出来上がり。
家で作った来たものも加わって、2人の食卓というのに、そうとうな品数に。この秋初めて新潟松之山から食品スーパーの店先にならんだ菊の花と、芋茎を見つけ、じっとしてはいられないのでした。
わが家の玄関前の生け垣はこの菊の花でした。地元では「かきもと」と呼ぶのですが、この「かきもと」がこの季節には八百屋に山と積まれて、それを笊いっぱい買って、顎をせっせとはずし、大鍋に湯をわかし、酢を少し入れて菊の花をさっとゆがいて水にさらすと鮮やかな赤紫色に。
おひたし、酢の物、胡麻和えなどで食べます。きょうは、さっとゆがいて醤油で薄味をつけただし汁にひたしておいたオクラと合わせて。
芋茎は筋をとって、5センチくらいのぶつ切りにし、やはり薄味のだし汁で煮含めます。それと、塩をまぶし板摺りしたキュウリを叩いて乱切りにし、刻んだ茗荷と塩ポン酢をだし汁で割った漬け汁で即席漬けに。
★★昼飯コラム★
芋茎(ずいき)&芋がら
高3の秋、ごちゃごちゃとした下町から、郊外に引っ越した。畑と田んぼが広がる農村地域のその一角だけ妙にきれいに整地されたところにぽつんと建った最初の1軒がわが家。
空も道も広々していて、すこぶる気持ちがいい。学校からの帰り道、ナポリ民謡なんぞ口ずさみつつ(音楽の教科書に載っていた)歩いてたら、道いっぱいになにか山になっているのが目にはいった。踏んづけていいものやら、あるいは跨ぐべきか目を凝らしたら、これが里芋の茎。ふぇ~。7~80センチほどの長さはあろうか。
たしか、家ではあれをブツ、ブツと切ったのが、この季節には集中的に味噌汁に入っていたよ。切り口からとろとろのものが出てきて、どうやらその透明なとろとろがうま味を醸し出していたようなのだが、あまり歓迎したくはない季節の定番味噌汁の具のひとつだった。
しかし何しろ、街の暮らしでは、お金を出して八百屋で買ってくるものだったから、農村ではこういうものは食べたりしないのか、と、盛大な放擲物に、ちまちました街の暮らしと、放ってもいずれ土に還るよと大らかというか大胆に思えた農村の一端とを対比したりした初めての体験だったかもしれない。
東京に出てきて、あれは1970年代の後半くらいだったか、スーパーに乾燥芋茎が売られているのを見つけ、保存食のようにして芋茎を食べている地域もあることにまたびっくり。”芋がら”というんだ。へぇ、どんな味だろう、とさっそく購入。
えっと、熱湯をだぼだぼとかけてそのまま冷めるまでおいて戻したものを使うんだったかな。刻んで味噌汁に入れたり、油揚やジャガイモなどと煮たりしてみたら、凍み豆腐や干し椎茸のように天日に干すことで深いうま味に変わるのだと知った。芋がらを考えついた農家の知恵はすごい!干してさらに旨くなる乾物の面白さにも目覚め、タンスの引き出しひとつ、乾物用にするという乾物オタク化のきっかけにもなったのでした。
エクアドル産インタグコーヒー(深煎りです) 料理人:よこやま