昼めし日記

2013年10月16日(水)のメニュー

・新生姜とオクラ入りごはん
・味噌汁(厚揚げ・小松菜)
・蒸し大根とカボチャのソテーに干しエビと長葱のあんかけ
・春菊と蒸し人参の白和え

風と雨が押し寄せた台風が去って、こんどこそほんとうに「秋」と、朝のひんやりした空気のなかで思ったことでした。じっくり火を通す料理も苦にならなくなりましたね。昼めし調理人も久しぶりに温度計を手にして、「低温蒸し」といきました。

 

①85℃くらいで蒸した大根のぶつ切り(1.5センチ厚くらい)とカボチャを、油をひいたフライパンで両面を焼きます。お皿に並べた上に干し海老と長葱の千切りを出し汁でさっと煮て片栗粉でとろみをつけたあんをかけて。だし汁は、昆布と干し海老に少し酒も入れ、砂糖少しと、塩と、香りづけに醤油をほんの少し。

 

 

②春菊はさっとゆがいて3~4センチに切り、人参は千切りに刻み、鍋でフタをして軽く蒸し煮に。
押しをして水気をとった豆腐をザルで漉し、すり胡麻(白ごまを軽く煎ってすり鉢で擂った)を合わせて、だし汁少々と塩で味つけし、春菊と人参を和える。 つづきを読む


☆2013年9月24日(火)のメニュー

 ●ノラの自家製酵母コッペパン
 ●ポタージュスープ
ジャガイモ=レッドムーン、玉葱、青紫蘇、昆布だし

 ●サラダ(イタリアントマト、玉葱、キュウリ、シラス)
 ●カッテージチーズ・卵+モロヘイヤのディップ

 

菜園・野の扉の畑から事務所に届いた野菜ボックスを開けば、初物の里芋、秋大根、あ、牛蒡も!
1年ぶりの再会にどぎまぎしながら、「落ち着け、落ち着け!」 まずは、手元に残っていた先週の野菜に片づいてもらわねば。野菜といっしょに届いたコッペパンに合わせて、本日のハイライトはポタージュスープ(ジャガイ モの品種はれレッドムーン=皮が赤く、中は濃い黄色)。
ポタージュと言えば、その昔、家庭科の調理実習ではじめて経験した世代なので、牛乳が美味しくしてくれるというイメージがつきまとうけれど、牛乳なしもいいものと知って、いつごろからか、テキトウ派に。冷蔵庫に牛乳常備もしてないし、単に買い物にでるのが面倒というだけでもありますが。
 作り方、簡単ですよ〜。 つづきを読む


 2010年10月13日

  ●昼めし献立 

  • ノラのクルミパン
  • 鶏肉とミニ白菜の塩スープ(鶏腿肉、ミニ白菜、人参、インゲン、パスタ)
  • ジャガイモと挽き割りエンドウ豆のサラダ
  • 菊の花とオクラの胡麻和え
  • 芋茎の薄味煮
  • 叩きキュウリと茗荷のおひたしえ

     本日のオイシイ!

    この秋初めての菊の花と芋茎。年中店頭にある菊の花も、季節はもちろん秋! 見つけたら料理せずにはいられないのです。

     

     

    本日も、鶏さんが活躍。

    「サラダ白菜」というのも届いています。いっしょに付いてきたメモには「秋一番のミニ白菜です。固めの外葉をはずした中の方は、葉っぱの表面に『毛』がないので、玉レタス風に生食できる白菜です」とありました。

    外葉はしっかりした手触りで、煮物でもくたくたになりにくいかも。これを鶏さんと煮てみましょう。ぶつぶつと切った鶏肉を油少々で軽く炒め、玉葱、人参、白菜も炒めたら水を注いで塩胡椒で味付け。半分くらい味が染みてきたら手でぽきぽき折ったパスタを加えて、パスタが柔らかくなればオーケー。インゲンを仕上げに。

    ジャガイモと挽き割りエンドウ豆を煮てほくほくしてきたら、水気を飛ばして、塩胡椒し、牛乳を加えて少し練って出来上がり。

    家で作った来たものも加わって、2人の食卓というのに、そうとうな品数に。この秋初めて新潟松之山から食品スーパーの店先にならんだ菊の花と、芋茎を見つけ、じっとしてはいられないのでした。

    わが家の玄関前の生け垣はこの菊の花でした。地元では「かきもと」と呼ぶのですが、この「かきもと」がこの季節には八百屋に山と積まれて、それを笊いっぱい買って、顎をせっせとはずし、大鍋に湯をわかし、酢を少し入れて菊の花をさっとゆがいて水にさらすと鮮やかな赤紫色に。

    おひたし、酢の物、胡麻和えなどで食べます。きょうは、さっとゆがいて醤油で薄味をつけただし汁にひたしておいたオクラと合わせて。

    芋茎は筋をとって、5センチくらいのぶつ切りにし、やはり薄味のだし汁で煮含めます。それと、塩をまぶし板摺りしたキュウリを叩いて乱切りにし、刻んだ茗荷と塩ポン酢をだし汁で割った漬け汁で即席漬けに。

    ★★昼飯コラム

       芋茎(ずいき)&芋がら

    高3の秋、ごちゃごちゃとした下町から、郊外に引っ越した。畑と田んぼが広がる農村地域のその一角だけ妙にきれいに整地されたところにぽつんと建った最初の1軒がわが家。

    空も道も広々していて、すこぶる気持ちがいい。学校からの帰り道、ナポリ民謡なんぞ口ずさみつつ(音楽の教科書に載っていた)歩いてたら、道いっぱいになにか山になっているのが目にはいった。踏んづけていいものやら、あるいは跨ぐべきか目を凝らしたら、これが里芋の茎。ふぇ~。7~80センチほどの長さはあろうか。

    たしか、家ではあれをブツ、ブツと切ったのが、この季節には集中的に味噌汁に入っていたよ。切り口からとろとろのものが出てきて、どうやらその透明なとろとろがうま味を醸し出していたようなのだが、あまり歓迎したくはない季節の定番味噌汁の具のひとつだった。

    しかし何しろ、街の暮らしでは、お金を出して八百屋で買ってくるものだったから、農村ではこういうものは食べたりしないのか、と、盛大な放擲物に、ちまちました街の暮らしと、放ってもいずれ土に還るよと大らかというか大胆に思えた農村の一端とを対比したりした初めての体験だったかもしれない。

    東京に出てきて、あれは1970年代の後半くらいだったか、スーパーに乾燥芋茎が売られているのを見つけ、保存食のようにして芋茎を食べている地域もあることにまたびっくり。”芋がら”というんだ。へぇ、どんな味だろう、とさっそく購入。

    えっと、熱湯をだぼだぼとかけてそのまま冷めるまでおいて戻したものを使うんだったかな。刻んで味噌汁に入れたり、油揚やジャガイモなどと煮たりしてみたら、凍み豆腐や干し椎茸のように天日に干すことで深いうま味に変わるのだと知った。芋がらを考えついた農家の知恵はすごい!干してさらに旨くなる乾物の面白さにも目覚め、タンスの引き出しひとつ、乾物用にするという乾物オタク化のきっかけにもなったのでした。

    本日のお茶 エクアドル産インタグコーヒー(深煎りです)

      

                                                                     料理人:よこやま


●昼めし献立

  • ノラのクルミパン
  • 鶏肉とミニ白菜の塩スープ(鶏腿肉、
    ミニ白菜、
    人参、インゲン、パスタ)
  • ジャガイモと挽き割りエンドウ豆のサラダ
  • 菊の花とオクラの胡麻和え  →→
  • 芋茎の薄味煮
  • 叩きキュウリと茗荷のおひたし

 

 

本日のオイシイ!この秋初めての菊の花と芋茎。年中店頭にある菊の花も、季節は
もちろん秋! 見つけたら料理せずにはいられないのです。

本日も、鶏さんが活躍。
「サラダ白菜」というのも届いています。いっしょに付いてきたメモには「秋一番のミニ白菜です。固めの外葉っを外した中の方は、葉っぱの表面に『毛』がないので、玉レタス風に生食できる白菜です」とありました。
外葉はしっかりした手触りで、煮物でもくたくたになりにくいかも。これを鶏さんと煮てみましょう。ぶつぶつと切った鶏肉を油少々で軽く炒め、玉葱、人参、 白菜も炒めたら水を注いで塩胡椒で味付け。半分くらい味が染みてきたら手でぽきぽき折ったパスタを加えて、パスタが柔らかくなればオーケー。インゲンを仕上げに。

サラダは、ジャガイモと挽き割りエンドウ豆を煮てほくほくしてきたら、水気を飛ばして、塩胡椒し、牛乳を
加えて少し練って出来上がり。家で作った来たものも 加わって、2人の食卓とい
うのに、そうとうな品数に。

この秋初めて新潟松之山から食品スーパーの店先にならんだ菊の花と、芋茎を見つけ、じっとしてはいら れないのでした。わが家の玄関前の生け垣はこの菊の花でした。地元では「かきもと」と呼ぶのですが、この「かきもと」がこの季節には八百屋に山と積まれて、それを笊いっぱ い買って、顎をせっせとはずし、大鍋に湯をわかし、酢を少し入れて菊の花をさっとゆがいて水にさらすと鮮やかな赤紫色に。おひたし、酢の物、胡麻和えなどで食べます。
きょうは、さっとゆがいて醤油で薄味
をつけただし汁にひたしておいたオクラと合わせて。芋茎は筋をとって、5 センチくらいのぶつ切りにし、やはり薄味のだし汁で煮含めます。それと、塩をまぶし板摺りしたキュウリを叩いて乱切りにし、刻んだ茗荷と塩ポン酢をだし汁 で割った漬け汁で即席漬けに。

 


 2010年10月8日

  ●昼めし献立 

  • ぶつ切り長葱炊き込みごはん
  • 小松菜とサツマイモの味噌汁
  • 筑前煮(里芋、人参、サツマイモ、鶏胸肉、インゲン)
  • 長葱と挽き割りエンドウ豆のホワイトソース和え

 本日のオイシイ!

地面を歩き回りながら餌をついばんでいたからか、肉の締まり具合もよく、旨味も濃い鶏肉に唸っています。


1羽分届いた鶏肉。肉が主役という料理が、なんだかもったいなくて、というか、一度にどっさり肉を食べる習慣がなかったため、すぐに思いつかないのか。それより肉の旨味をちびちび味わって贅沢気分に長くひたっていたいのかもしれない。
夏の野菜と少しずつ入れ替わるようにして届きはじめた里芋や、人参、サツマイモ、大根といった根もの野菜に目を奪われます。ばて気味だった胃腸の調子も落ち着き、ぎゅぎゅっと土の滋養がのってきた野菜たちが美味そうで、えぇーいっ、肉か野菜、どっちかとるなんてできやしない! 欲張って鶏と野菜のうま煮になっちまうのでした。

それにしても肉から出てくるうま味って濃いのね。胸肉ひとつで、ひと鍋分のだしがとれてしまうんだから。少しの油で皮ごとの胸肉を炒め、野菜を炒めて酒と水を注いだら砂糖少々と醤油(せめて丸大豆の醤油をお使いくだされ)で味つけ、汁気がなくなるまで煮ていくだけ。一流料理人の包丁さばき、仕上げの技には及ばないけれど、鶏と野菜の旨味が渾然一体となってほ~んとにおいしい。本日の主役はこれかな。

葉物のような傷みやすい野菜から先に、とやってると、後回しにされるのが出てくる。
そのひとつは、持ちの良さのおかげで、ここのところ3週間分も待ちぼうけを喰わされている長葱。ここはもうまとめて食べちまおう。
というわけで、まず5~6本の外側をむき、5センチくらいのぶつ切りに。これをフライパンで焼いている間にホワイトソースづくり。鍋にバターを溶かし、小麦粉を混ぜたところへ牛乳を少しずつ加えてゆるめのホワイトソースになったら塩胡椒で味つけ。火が通った長葱と昨日煮てあった挽き割りエンドウ豆をあえます。

長葱をさらに3~4本、こちらは3~4センチのぶつ切りに。塩少々加えてごはんに炊き込むだけ。炊きあがったら半摺りにした胡麻をざっくり混ぜ合わせて。新米というだけでおいしいのに、長葱の甘さがほんのり移ったごはんにはうとりしてしまう。食べ過ぎないよう盛り切りです。

味噌汁に甘いサツマイモ。若い頃は、サツマイモもそうだけれど、玉葱やキャベツといった甘みのある野菜の味噌汁が苦手だったのに、いつごろからか、あら、乙な味わいだわ――、とけっこういけるようになりました。

本日のお茶

インタグコーヒー(深煎りです)  

                                                                 料理人:よこやま


 2010年10月6日

  ●昼めし献立 

  • ノラのカンパーニュ

  • 秋茄子と挽き割りエンドウ豆の塩オリーブ和え
  • 牛乳入りマッシュポテト
  • 身欠き鰊と野菜の煮き合わせ
  • 玉葱のソテー甘酢醤油かけ
  • 千切りキャベツとマー坊茄子のスープ

 本日のオイシイ!

人間に横取りされながらせっせと卵を産みつづけた鶏も、とうとう肉になってやってきました。ありがたく、骨までしっかりいただきます。南無。

カンンパーニュ、いい感じに焼き上がって届きました。
石臼でゆっくり碾いた群馬県産の全粒粉と天然酵母と海塩だけのシンプルでがっしりとした田舎パン。小麦の旨味が口の中に広がります。
きょうは、素朴な田舎パンによく合うかなと思い、懐かしい牛乳入りのマッシュポテトをつくってみました。バター、マヨネーズ、チーズ…といった洋風のものがきらきらしてみえた時代、ポテトサラダ、ポタージュスープなどとともに、家庭科の調理実習などでつくったもののひとつでした。
”初めてです”と言いながら食べた30代のスタッフ、「おいし~い」。牛乳を飲むと必ずお腹がごろごろいっていた世代の私も、いつのころからかお腹ごろごろがなくなったけれど、そのまま飲む習慣は身につかず、もっぱら料理に使うのみの牛乳ですが、料理にコクがでて、スープの素みたいなものもいらず、調法しますね。

皮までおいしい秋茄子を蒸して、包丁を入れようと触れると、指先が濃い紫色に。
茹でてほくほくにした挽き割りエンドウ豆と合わせて、オリーブ油と塩と、クミンパウダーを振って温サラダに。以前、ネパール料理のお店の人から、シードよりパウダーの方がよく使うと聞いてから、シードの方は煮込みの香りと味のベースに、パウダーはエスニックな香りがちょっと欲しいときなどに手軽に使えます。
上野のアメ横はエスニック素材をそろえている店が何軒もあって、時々寄りますが、豆類やスパイス類も豊富。故郷の国の料理を作ろうと来ている人たち向けなので、一袋の量がたっぷりなのが、ちょっと手に余りますが。

そろりと根もの野菜が恋しくなってきました。中くらいに育ってきた大根もとどき、ジャガイモ、茄子と、米のとぎ汁に一晩浸けて柔らかくした身欠き鰊の煮しめは家でたくさんつくったもの。きょうはそれをさらに煮返したため、茄子は原型とどめず? 多少は見栄えよく、と今週初めてとどいたまだ細身の人参とインゲンを彩りに添えて。

鶏1羽分(胸、腿、手羽、手羽先、ササミ)

玉葱は1センチくらいの輪切りにして、油をひいたフライパンで蒸し焼きに。玉葱にからめるソースは米酢、砂糖か蜂蜜少々、醤油、カイエンヌペッパーを合わせたもの。バルサミコ酢があれば砂糖は不要。蒸し上がった玉葱をほぐしてソースをからめ、盛りつけます。

きのう野菜といっしょに届いた鶏の腿のところの皮だけをだしに使い、昆布とあわせてスープに。具は千切りキャベツとこの夏よく使った細長いマー坊茄子。味付けは塩胡椒で。この鶏肉が臭い匂いがまったくしないのね。肉質もちょうどいいしまり具合。たまの肉はご馳走だわって、ほんと、そう思います。わくわく。

秋茄子と挽き割りエンドウ豆のサラダ

★★昼飯コラム
  菱の実と柴栗と1合枡

田舎の秋、駄菓子屋の店先の大笊に盛られているのは、菱の実(桃の節句に飾られる菱餅も、忍者が追っ手に投げた鉄菱はこれを模したのだとか)と、柴栗。小指の先の一節ほどの大きさの実が黒い皮にぴちっと覆われ、あっちこっちに鋭い刺を突き出している(何十年ぶりかで写真を見たら、刺は2本しかなかった…)菱の実を、子どもたちはみんなあたりまえに歯で器用に割って中身を取り出して食べていた。菱の実が沼に生息する植物と知ったのは、ずっと大人になってから。どちらも1合升で測って、記憶では5円だったような。菱は外見からはおよそおいしそうに見えないけれど、完熟する一歩手前の栗みたいな食感とほろ苦いような独特のおいしさがあって、高校生くらいまでは毎年この秋の味覚を楽しみにしていた。
柴栗は里山で自生していたものだったらしく、田舎では栗と言えばこれ。何しろ1合5円だもの、秋の運動会、遠足には、必ず親にねだってお弁当やリュックに詰めてもらっていた。あの、ねっとりした甘さは忘れがたいおいしさとして記憶に残っている。東京に出てきてからたまに買ったりした高級な丹波栗よりずっとおいしかった気がするのだが、遠く去った時代を思う感傷的な気分も加味されているのだろうか。
小学校に上がる前まで、母の買い物についていっていた八百屋でも、酒屋でも、店の人と母は、何匁(もんめ)だから何円などとやりとりしていたので、すっかりそれで覚えたのだが、入学して体重を測るとき「何貫何匁」でなく、○○キログラム、身長1メートル○○センチと言われ、3年生くらいの時か、教師は「これからは、「1貫」は3.75キログラムという数え方になります」みたいなことを言って、授業でも習わされたけれど、家に帰れば、いたるところで何貫何匁が通用していたし、自分のなかでも1合枡、1升枡も生き続け、50年以上たっても未だに頭の中で換算している。役に立たないんだけど。

上の写真、岡山理科大学植物生態研究室(波田研)HPから拝借。
http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/
dicotyledoneae/choripetalae/trapaceae/hishi/hishi.htm

本日のお茶

インタグコーヒー(深煎りです)  

 
本日のおやつ 本郷の和菓子やさんで見つけた、草蛙のようなかりんとう。黒砂糖のたれの甘さもほどよく、きさくな駄菓子というところで、お値段もいたって安いのに、アミノ酸なども添加せず、お味はなかなか上等です。
スーパーでは、袋物の駄菓子売り場においてありました。

                                                                 料理人:よこやま