日々のたより

雑誌『ビッグイシュー日本版』に
エコアパ登場

ダウンジャケット姿の人も見かけるようになってきた11月下旬の池袋駅の午後。平日の昼間なのに駅のコンコースには人があふれています。柱にもたれて眠っている60代ぐらいの男性は、着ているものは冬の装いながら、足元は素足に黒い鼻緒の草履でした。その横を通り過ぎ、今日はイヤホン1280円也をビックカメラで買いました。
これでいいのだ…と開き直っているつもりはないのだけれど、見殺しにしてきた人の数はどれだけになるだろう、と痛い気持ちがときどき顔を出します。情けないおばちゃんなのです。
こんなモンダイはきっと墓場まで持っていくもののひとつなのですが、『ビッグイシュー日本版』は、そんな私のお尻をたたいて勇気づけてくれるありがたい雑誌。「ホームレスの仕事をつくり自立を応援する」を掲げて2003年9月に創刊されました。販売者はホームレスか自分の家を持たない人に限定されています。1冊300円のうち、160円が販売者の収入に。こつこつ売上げを貯めて、カプセルホテルに泊まれるようになった人、アパートへの入居を果たした人もいます。

11月15日に発売になった107号の特集は「畑と暮らす―畑つきアパート&週末小屋の畑暮らし」。『畑がついてるエコアパートをつくろう』でそのプロジェクトをお伝えしている東京・足立区のエコアパート花園荘が特集のトップに登場しています。完成から1年がたち、エコア
パートが発信力を持った魅力的なコミュニティとして育っていることが、著者の平田さんの言葉から汲み取れます。新婚さん、独身、小さな子供がいる世帯とそれぞれのライフスタイルのなかで、住民の皆さんが少しの手間を楽しみながらエコ生活を満喫していらっしゃる様子がほ
のぼのと綴られていて、うらやましさは募るばかり。
世の中の問題を取り上げて情報を放つことは、簡単。でも、それをどうしていくか、問題解決につながる一歩一歩を確実に積み上げていく方法を備えて発刊されたビッグイシューに、エコアパが登場したことが編集担当者としては飛び切りのうれしさでした。エコアパも、何かを実際にやろう、動いてみよう、そうすれば社会は変わると、タイトな予算の中で皆が知恵を絞りあって生み出されたプロジェクトだから。同じお金を使うのなら、自分以外の人の幸せにもつながっていくほうがうれしいもの。ここで、エコアパとビッグイシューはつながるのです。
12月1日には、次号108号が発売になります。販売員さんはバックナンバーも持参しています。声かけしてどうぞ掲載号を手に入れて下さい。販売場所はビッグイシューのウェブサイトで
検索できます。 http://www.bigissue.jp/sell/index.html

(編集担当 山木美恵子)