都内の病院に友人を見舞った。7階にある病室の窓の向うに高層ビルが林立している。ふだん、せこせこと下のほうばかり見て生活している身には、別世界のような光景である。梅雨入りしたこの日、高層ビル群は細かく降りしきる雨に煙って蜃気楼のように浮かんで見えた。
住まいの近くに毎年小さな実をつける梅の木があって、2つ、3つと、路地に青い実を落とし始めるのもこの季節。ジュースや果実酒用の青梅も、千葉の農家から届いている。ひとり当たりにすると僅かな量だけれど、蜂蜜をまぶし、小瓶に漬けこんだ。
きょうのご飯は、いただきものの由香里(梅干を漬けるときに一緒に仕込んだ赤紫蘇を乾燥させ粉末にしたもの)と、だしをとったあとの鰹節を刻み、すり胡麻を加えて炊き込んだ。由香里にけっこう塩気があるので、塩味がつきすぎないよう気をつけて。
卵焼きといっても、スクランブルエッグのようにかき回しながら固める感じ。千切りにした人参を1本分、軽く油で炒め、溶き卵と混ぜ合わせ、塩、コショウで味付けしたら、油を引いたフライパンで、火が通ればもう出来上がり。
野菜ボックスの中に見つけたフダン草は幅広の白い茎などが、あっさりした味かと思わせるけれど、けっこうアクのある野菜です。短冊に切った大根をゆがいた鍋でさっとゆがいて大ぶりに切り、皿に盛ったところに、味噌と酒を軽く煮詰め、すりゴマを加えとろりとさせたあんをかける。
サラダはさいの目に切ったジャガイモをゆで火が通って蒸らし状態になったところにさいの目のリンゴを加え、塩、コショウをして、冷めたらボウルに移し、スライスした玉ねぎを加えてオリーブ油を全体になじませる。リンゴの甘酸っぱさがジャガイモのもったり感を軽やかにしてくれます。
まだまだ来る白菜に戸惑いながら(長いこと冬にしか使わないで来たものだから、料理のカンがなかなか作動しないわねえ)、きょうはなんてこともない味噌汁の具です。白菜が煮えたところに、沢山もらって湿気させてしまっていた海苔を5枚も、ちぎって加え、水菜も最後に入れます。
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