奇しくも衆院選と都知事選の投票日の12月16日、「こんな世の中、
ひっくり返さなあきまへん」をテーマに、6回目となる「国際有機
農業映画祭2012」を開催します。
今年は法政大学サステイナビリティ研究教育機構との共催となり、
法政大学外濠校舎(東京・市ヶ谷)を会場に、日本初公開2作品を
含む12作品を上映します。
特別企画シンポジウム「こんな世の中ひっくり返さなあきまへん」
では、農業、まちづくり、メディアの場で「ひっくり返す」試み=
実践をされている3人のお話を予定しています。
【開催にあたって】
あの3・11から2年になろうとしています。前回の2011年映画祭の
テーマは「それでも種をまく」でした。従来の価値観が根底から問
い直されていた時代状況のなかで、たったひとつ確かなものがそこ
にあるという思いで選択したテーマでした。
2012年映画祭を迎え、有機農業を掲げる映画祭に携わるものとして、
いま世の中に問えるものは何か。話し合いを重ね決まったのが、
「こんな世の中、ひっくり返さなあきまへん」というテーマです。
ゆるゆると土をつくり、虫たちと付き合い、雑草に価値を見出し、
そんな有機農業の営みにこそ、この混沌とした時代の変革する鍵が
あると考えます。“ゆるゆる革命”をワクワクと楽しみながら一緒
に歩き出しましょう。ご来場、お待ちしています。
国際有機農業映画祭運営委員会
共同代表 大野和興
日 時:2012年12月16日(日) 10:00~20:30(9:30開場)
会 場:法政大学市ケ谷キャンパス外濠校舎
さったホール&S505教室
アクセス:JR中央線市ヶ谷駅・飯田橋駅下車(徒歩5~6分)
参 加 費:前売 1,800円・当日 2,500円・学生&25歳以下 1,000円(要証明書提示)
※15歳以下無料(要予約)
※半券提示で再入場自由
☆有機農業の世界を次世代に伝えたいという趣旨で、参加費が、学生・25歳以下1000円、15歳以下が無料となっています。
なお、前売の締め切りは12月1日です。
参加申込み:http://yuki-eiga.com/entry/entry.html
または ticket@yuki-eiga.com
共 催:国際有機農業映画祭運営委員会
法政大学サステイナビリティ研究教育機構
■上映作品 詳細:http://blog.yuki-eiga.com/?eid=1391114
★印は日本初上映作品です。
【スクリーン1】さったホール
☆花はどこへいった (2007年/日本/71分)
ベトナム戦争で米軍が散布した枯葉剤は約7200万リットル。そ
の中に含まれていた催奇性や発がん性を持つ猛毒・ダイオキシ
ンは、戦争終結から37年たった今も、ベトナムの人びとと大地
を蝕み続けている。
☆米の放射能汚染ゼロへの挑戦 (2012年/日本/28分)
原発事故による放射能汚染に苦しむ農家の苦闘を描いたドキュ
メンタリー。主人公は手練れの百姓衆で、培った経験と知恵と
技能をフル動員して、安心して食べてもらえるコメをつくろう
と苦闘する。
☆それでも種をまく (2011年/日本/24分)[再映]
有機農業は、生命のつながりの中にある。生産者と消費者のつ
ながり、生産者と地域のつながり、そして、循環する生態系と
のつながり。福島第一発事故と放射能汚染に暴力的に断ち切ら
れた「つながり」を取り戻すための種をまこうとしている人び
との姿を追う。
☆未来への診断書―水俣病と原田正純の50年
(2010年/日本/54分)
2012年6月11日、私たちは原田正純さんという「宝」を失った。
水俣病の患者さんたちにとって、原田さんがいかにかけがえの
ない存在だったのか。追悼上映。
☆お米が食べられなくなる日 (2012年/日本/35分)
日本の主食、お米。しかし10年後には、日本で米づくりができ
なくなるかもしれない。日本各地の生産と消費の現場、メキシ
コ、タイの農民の声から見えてくるものは。米づくりを通して
大切にしたい価値を問う。
★ホッパーレース ― ウンカとのいたちごっこ
(2012年/日本/38分)
近年、稲の害虫、ウンカがアジアの稲作地帯で猛威を奮い、西
日本にも飛来している。世代交代が早く、農薬やウンカ抵抗性
稲品種に次々と適応する。打開しようと立ち上がった科学者達。
虫の視点から、自然の法則と真っ向に対立する人間の営みの姿
が浮かび上がる。
☆太陽の女王 ― ミツバチからの問いかけ
(2011年/アメリカ/82分)
ミツバチの置かれている現状を通して、私たちの生き方が問わ
れる。人間の都合による虐待でストレスやダニの発生、病気に
見舞われた。とどめを刺したのが神経毒性を持つネオニコチノ
イド系農薬。※オリジナル字幕
【スクリーン2】S505教室
☆ダート! ― どろ に こころ の物語
(2009年/米国/80分)[再映]
洪水、干ばつ、気象変動、戦争さえ、人間が土をどう扱ってき
たかの結果であると言う。驚くべき土の生命世界は、政治、経
済、農業、環境、生態、健康、教育、芸術、すべてが網の目状
に“土”と関わり合っていることを教える。“土”が仕事の左
官のみなさんに大好評だった作品。
☆地域のタネを守る ―ベトナム・ムオンの人々
(2011年/日本/19分)
タネは長い間、農家が自ら採取し家族や村の財産として子孫に
受け継ぐものだった。大量生産されたF1の種子を農家が買う
のが当たり前になったの中、ベトナムの山岳地帯で暮らすムオ
ンの人たちは、タネを採り子孫へと受け継ごうという取り組み
を始めた。
★探そう! 地元のオーガニック野菜 (2009年/米国/28分)
アメリカの2人の小学生女子が自分の食卓の食べ物の素性を追
いながら、地元の有機農産物の真の価値に気づくドキュメント。
世界地図を広げて食べ物調査をスタート。近郊の有機農家と出
会い、地元で有機野菜を買うにはどうしたらよいか考える。
※オリジナル字幕
☆雑草 (2008年/韓国/45分)[再映]
何の役にも立たないと思われている雑草が土を育てる。雑草は
ただそこにあるだけで価値があり、葉や茎は枯れても春には再
び芽吹く。さらに受粉、種子の移動の神秘的な仕組みを絵解き
する。土壌を浄化し、生態系をよみがえらせるなど、雑草の多
様な働きを紹介する。
☆土 (2008年/韓国/45分)[再映]
土は人間はじめ、あらゆる生命体との関わりが深い。泥染めの
服、土壁の家、薬……。蜂やツバメの巣も泥。土の中で命が生
まれ、育ち、朽ちていくドラマをカメラが追い、ミクロの世界
を視覚化する。
■特別企画■
☆シンポジウム☆「こんな世の中ひっくり返さなあきまへん」
農薬、放射能、枯葉剤、遺伝子組み換え作物……。映画祭の上
映作品を見ると、私たちの社会の、ひっくり返さなくてはならな
い現実を思い知らされます。しかし、原発の再稼働に抗議して官
邸前に多くの人びとが集まったことに示されるように、世直しは
すでに始まっています。
その中でとくに注目されているのは、ひっくり返すための「小さ
な」実践です。原発のような大規模集権型ではなく、太陽光や小
水力のような小規模分散型の発電が、環境や地域経済への影響と
いう観点から評価されているのは、その一例です。
シンポジウムでは、農業、まちづくり、メディアの場で「ひっ
くり返す」実践をされている方にお話をうかがいます。活躍の場
こそ違いますが、三人に共通するのは、「小さな」試みをされて
いるということです。小さいから力が弱いということではなく、
それは、「ひっくり返す」という言葉で想像するよりもしなやか
で、地に足のついた実践です。都知事選と衆議院選挙の投票日に、
三人の報告者とコメンテーターにナビゲーターになっていただき
ながら、会場のみなさんと現在進行中の世直しについて考えます。
【報告者】
菅野正寿さん(福島県二本松市の有機農家)
古田睦美さん(長野大学教員)
白石草さん (Our Planet TV)
【コメンテーター】
河村哲二さん(法政大学サステイナビリティ研究教育機構)
【コーディネーター】
安藤丈将(国際有機農業映画祭運営委員)
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