昼めし日記

2009年 12月1日

  昼めしの献立 

    • サツマイモ入りごはん
    • キャベツと玉葱の温サラダ
    • 大根のソテー(味噌と粒マスタードのたれと)
    • 味噌汁(白菜と里芋、油揚げ)
田舎にはなかった食べもの

1. チリメンジャコ
2. 山椒
「なかった」というより、食べる文化がなかったということでしょうね。どちらも京都、大阪など関西では普通に食卓にのぼっていたようですが、日本中の食べものが集まる東京に住むようになって出会った食材のひとつ。
上京後、身元引受人になってくださった方が神戸のご出身だったこともあって、ご実家から季節ごとに、京都の筍、丹波のつくね芋、黒豆、山椒の白醤油煮など届くたびに呼び出しがかかり、大ぶりでアクの少ない上品な筍を庭の山椒の若芽で木の芽(山椒のこと)和えにしたものをいただいたりして、生まれて初めての山椒の香りやしゅわしゅわと口中にひろがる独特の辛味などに新鮮な衝撃をうけたことを、季節がめぐってくるたび思い出します。
童話『赤い蝋燭』が遠い記憶に残る同県人の作家、小川未明の作品で描写される海沿いの町や村の風景そのまま、低くたれこめる冬の空から降る雪も、みっしりと重く、食べものだけでなく何もかも湿り気を帯びた風土で育ったからか、新しい地での食体験は軽やかで、チリメンジャコと山椒の青い実を薄口醤油で上品に煮あげた佃煮(というのは関東風の言い方ですが)にはすっかりはまって、自分でもよく作るようになりました。今では東京でもデパートなどでいつでも手に入るようになりましたが。台所の棚の隅にこれがあると、なんだか安心するんですよね。
写真は、たまに行く居酒屋のママさんからいただいた、京都のチリメン山椒煮。まだ眺めて楽しんでいるところです。

とろり熱々の蒸し焼き大根のたれは…?

ジャガイモ、里芋、サツマイモ、大和芋といった芋類が続々と届くようになって、からだもこころも
あったかさを求める季節になったんだなあと、しみじみ。

厚めにいちょう切りにした大根を、油を熱したフライパンで蒸し焼きに。途中でいちど裏返して。
10分程度で十分火が通るので器に移してたれをそえます。以外に時間もとらないから、木枯らし
吹く夜には燗酒のあてにも。
大根に添えるたれは、味噌、酒、砂糖またはみりんを加えて少し煮詰め、粒マスタードを味噌の量の
3分の1くらい、たっぷり混ぜ合わせて。

キャベツと玉葱の温サラダ

<材料>キャベツ、玉葱、紫キャベツ、ドレッシング用に人参、ブルーチーズ

キャベツは根元から離さないように包丁を入れ、玉葱は輪切りに。玉葱も火が通ると辛みがとれて、いくらでもお腹に納まりそう。紫キャベツは千切りに(こちらは蒸さず生のままで)。つやつやと紫色に輝いて目を楽しませてくれます。
人参をすりおろし、酢、塩、胡椒、オリーブ油と、千切るか包丁で粗く刻んだブルーチーズを混ぜ合わせてドレッシングをつくり、蒸したキャベツ、玉葱を皿に盛り、紫キャベツを添えて、ドレッシングをかける。

ごはんはサツマイモ入り。サツマイモは少量の油で表面がからりとするくらいにさっと火を通し、炊き上がり直前にご飯の上にのせて蒸し上げます。少量の塩を加えて。

本日のお茶

薬草茶(ドクダミ、ヨモギ、玉葱の皮…外側の茶色くなった皮を溜めておきます)

                                   料理人:よこやま