自然農に生きる人たち
—耕さなくてもいいんだよ—
文・写真 新井由己
本体価格:2000(税込:2200)円
ISBN:978-4-916110-40-4
B5変型判並製 140ページ
耕さなくてもいい 草は抜かなくていい。
「農業は重労働」の固定観念から解放されたという「自然農」との画期的な出会い。草や虫とともに育つ伸びやかな田や畑の姿に自らを重ね、土と向き合う暮らしの愉しさ、農のもつ懐の深さを語る今百姓たち。”商品価値”に振り回される農業から、生きとし生けるもの全てが繋がりあう循環の農へ。次世代に手渡すささやかな希望がここにはある。
☆amazon<ブックレビュー>より
☆☆☆☆☆ 有機無農薬栽培を「自然農」と呼んでいる人がいたり、耕さなくても専用の機械で田植えをしていたり(自然耕)、さまざまな栽培方法があるが、奈良県の川口由一さんが提唱している「自然農」には、耕さず、肥料・農薬を用いず、草や虫を敵としないという基準がある。
本書は、その川口さんの自然農を学び、全国各地で実践している人たちを訪ねたルポルタージュである。写真集としては小さめながらも、B5変形判の写真は迫力があり、草や虫とともに野菜やお米がのびのび育っている様子がよくわかる。また、自らの田畑に立っている登場人物の表情も明るく、のびのびしていることが感じられ、その人物も田畑と一体化したような印象さえ受ける。
インタビューのページでは、どうして自然農を始めたのかその動機がつづられている。川口さん自身は、家業の農家を継いで農薬や除草剤を使った農業で体を壊し、この道に進んだという。若い人たちは、有機農家で研修をしたものの、耕して、堆肥をすき込んで、手で除草をするという作業になじめず、自然農の豊かな世界にみせられた人も多いようだ。著者の淡々とした文章によって、逆にそれぞれの人生観がくっきりと浮かび上がってくる。
「命の営みにひたすら沿う自然農は、この世界に何ら問題を招かず、永続可能な農のあり方なのです。これからは『何かしないといけない』という考え方はいりません。余計なことをしないことがたいせつです。環境問題にしても、問題を解決するのではなくて、問題を招かない生き方をすることです」(本文より)
川口さんの言葉は、一人ひとりが変わらなければ、社会は変わらないことを教えてくれる。
(2008.5)
☆☆☆☆☆「写真に力がある」という表現は、まさしくこの写真集に当てはまると思う。たくさんの自然農の実践家の表情を追っている。
「農業も中々楽しそうだ」と感じさせる。
キャリアの浅い人もいるようで、就農を夢想するきっかけを与えてくれた1冊。
(2009.2)
自然農を学ぶ◆赤目自然農塾
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