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さっぱり甘夏果汁のちらし寿司
(卵焼き、鰹新節、キュウリ、
胡麻、青紫蘇)
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蒸し豆腐の中華風ソースがけ
(絹ごし豆腐、キュウリ、ワカメ、
味噌、醤油、だし汁、練り胡麻、
練り辛子) -
絹ごし豆腐とオクラのすまし汁
ひと房目は、やっぱり酸っぱかった夏蜜柑
明るく穏やかな陽射しを浴びて、金色に色づいた夏蜜柑が鈴なりになっている。吉田松陰、高杉晋作、伊藤博文など、幕末から明治維新へと歴史を大きく動かしていった志士たちゆかりの地、山口県萩市を自転車で回りながら、街の至るところで、木々が重たい実をたわわにつけている光景に強い印象をうけたことを思い出す。後で知ったことだが、全国に先駆けて夏蜜柑の栽培を始めたのは萩市だったそう。
子どものころは、食べたあと、歯がキシキシするような酸っぱい夏蜜柑はそれほど好きではないのに、甘いものが嫌いだった兄がぺろりと1個も食べる様子がおいしそうで、ついひと房と手を伸ばししているうち、気がつけば酸っぱくて甘い夏蜜柑のさわやかな味にとらえられてしまっていた。
それでもやっぱり、ひと房目は酸っぱい。想像しただけで、唾が口の中にたまってくる“夏蜜柑”はその後、酸味を押さえ甘みを追求した改良品種「甘夏蜜柑」が登場するや、急速に店頭から姿を消していき、いまや数え切れない品種が出回って、私などさっぱり名前も覚えられない。
甘夏も甘味が勝ちすぎる気がして、夏蜜柑世代の私には物足りない。牛乳をそのまま飲む習慣も身につかなかったけれど、熟しすぎない(ここが肝腎!)甘夏を入手し搾り入れたコップに牛乳を勢いよく注ぎ入れたインスタントヨーグルトの味を知ってからは、毎夏、数回は見たところ怪しげなこの飲料をつくるのが楽しみのひとつ。
甘夏を料理に使うときは米酢を足してちょうどいい感じだから、きょうの甘夏果汁も酢を加えて調整。果汁に十分な甘味があるので砂糖はなしで。
塩は入れても入れなくてもお好きに。ごはんを固めに炊きあげたら、酢をぜんたいに行きわたらせて粗熱をとる。
卵焼きは砂糖を入れて甘めに。鰹の新節(なまりは少し生臭みがあるので、醤油、生姜と酒を多めに入れて煮詰め、そぼろに)をおろし金ですりおろし、酒、醤油、砂糖で軽く煮詰めてそぼろ状にしたら、煎り胡麻を混ぜる。キュウリは薄切り塩もみにし、甘酢につけておく。
皿に酢飯を薄く敷いてサイコロ状に切った卵焼きと鰹のそぼろを散らし、その上にまた酢飯、卵焼き、そぼろを散らして、汁気をしぼったキュウリと、トッピングに青紫蘇を。
絹ごし豆腐は食べやすいサイズにスライスして低温蒸しに。ふるふるの舌触りととしっかりした食感になった豆腐を皿に移し、千切りキュウリとワカメを盛り合わせ、たれを添える。酒1,味噌1、だし汁2、砂糖少々を煮立たせ、アルコール分をとばす。練り胡麻を加え、水溶き片栗粉に練り辛子を合わせてたれに辛みととろみをつける。
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